2025年4月4日、米男性ファッション誌「GQ」の台湾版は人気アニメ「ダンダダン」に登場する都市伝説を解説した記事を掲載した。
龍幸伸氏による漫画が原作の人気アニメ「ダンダダン」の第2期が7月3日に放送を開始することが決定した。
記事は、「ターボババアは馬と並走する老婆の伝説として江戸時代にまでさかのぼることができる。現代に至っては、いくつかの派生したバリエーションがあり、大きく三つの説が主流だ。一つ目は北海道での伝承であり、トンネル内に現れてバイクのライダーを標的にするというもの。二つ目は車のドライバーの注意をそらせて事故を誘発するといい、三つ目は車と速度を競い、もし勝ってしまうと、翌日その車は鉄くずになるというものだ。『ダンダダン』におけるターボババアは単に速い存在ではない。登場時には恐ろしい怪物として描かれていたが、後に心霊スポットのトンネルに棲みついているのは生前に暴行を受けて殺害された少女たちの怨霊の『地縛霊』を鎮めるためであることが判明する。なお、このターボババアは他の作品にも登場しており、代表的な例としては『地獄先生ぬ~べ~』がある」と紹介した。
その上で、「前述のように、『ダンダダン』でトンネルに存在するのは暴行を受け殺害された少女たちの怨霊で、それらが「地縛霊」となって巨大なカニの形で出現する。作中の設定では、『死者は三途の川を渡るために沢ガニになる』と語られている。
続けて、「トンネルは日本における都市伝説や心霊スポットの定番で、中でも特に有名なのが『犬鳴トンネル』だ。福岡県宮若市と糟屋郡久山町の間に位置し、犬鳴山周辺の山々を貫いている。1975年に『新犬鳴トンネル』が開通した後、旧犬鳴トンネルは廃墟となった。その後、この旧トンネルは違法投棄や暴走族のたまり場として使われるようになり、88年には有名な焼殺事件が発生。さらに2000年には近隣の犬鳴ダムで遺体遺棄事件も起きている。これらの事件を背景に、旧犬鳴トンネルには多くの都市伝説が生まれた。最も有名なのは、旧犬鳴トンネルの先には『犬鳴村』という恐怖の村があるというもの。
また、「『ダンダダン』に登場するアクロバティックさらさらは、背が高く、腰まで届くさらさらとした長髪と黒い目を持ち、壁を素早くよじ登ったり、屋根から屋根へ飛び移ったりと、俊敏な動きを見せる存在だ。作者に涙を誘う過去を与えられたことで、非常に人気の高いキャラクターとなった。アクロバティックさらさらは生前、幼い娘を育てるシングルマザーだった。娘を養うためにさまざまな仕事を掛け持ちし、時には体を売ることさえしていた。しかし、娘が闇金に借金のカタとして連れ去られたことをきっかけに絶望し、無念のうちに自殺。その後、目的もなく記憶も曖昧な幽霊となり、自分を亡き母と勘違いした幼い白鳥愛羅(しらとりあいら)を娘と思い込み、妖怪と化して10年もの間、愛羅をつけまわす存在となったのだ」と説明した。
さらに、「セルポ星人にまつわる都市伝説を語るにあたって、1940年代末期の米国で起きた『ロズウェル事件』に触れないわけにはいかない。当時、米国では『モーグル計画』という軍事プロジェクトが進行していた。この計画は高高度の気球に取り付けたマイクでソ連の核爆弾実験による音波を遠距離から探知しようとするもの。しかし、この高高度気球が未確認飛行物体(UFO)に衝突され、共に墜落したという伝説が生まれ、時を経てさまざまな説が広がった。さらには『プロジェクト・セルポ』という秘密計画が存在し、政府が米国軍人を惑星セルポに送り込んだという話まで流布している。
それから、「フラットウッズ・モンスターとは、その名の通り米国のウェストバージニア州ブレクストン郡フラットウッズで52年に目撃された怪物で、身長3メートルの宇宙人として知られている。地元の男性3人の目撃証言によると、それは丸く赤い顔を持ち、尖ったフードのようなフレームに囲まれていて、スペードのエースのような形の頭に、小さくかぎ爪のような手を持っていた。また、体には衣服のようなひだがあったという。このフラットウッズ・モンスターはすぐにメディアを通じて全米に広まり、都市伝説となった。『ダンダダン』では、桃が誤って結界の札を破ってしまったことで出現し、その姿はなぜか力士のように変貌している」と紹介した。
このほか、「ドーバーデーモンは米マサチューセッツ州ドーバーで目撃された類人型の謎の生物だ。懐疑論者の間では、この存在は実際には鹿や牛の子どもであった可能性が高いとされている。『ダンダダン』でこのドーバーデーモンはシャコ星人として描かれている。種族不明の戦闘型宇宙人として設定されており、筋骨隆々で、ボクサーのような姿をしている。
そして、「『ダンダダン』では、ネッシーもまたセルポ星人によって雇われた殺し屋として登場するが、敵味方関係なく無差別に攻撃してしまう設定となっている。ネッシーはスコットランドのネス湖に生息しているとされる謎の生物で、その姿は古代のプレシオサウルスに似たものとして語られてきた。ネッシーに関する最古の記録は西暦565年に修道士・アドムナンが記した『聖コロンバの生涯』にあり、ネス湖のほとりで地元の若者が『水の怪物』に襲われて死亡したと記されている。そして1933年、ついにネッシーの姿を捉えた最初の写真が撮影され、英国のタブロイド紙デイリー・エクスプレスによって大々的に報道された」と言及した。(翻訳・編集/岩田)