香港メディアの香港01は17日付で、にぎり飯専門店の「ごちそう 焼きむすび おにまる」が広東省深セン市に出店したことを紹介する記事を発表した。主要メニューやにぎり飯づくりの過程の写真まで紹介する熱の入れようだ。

記事は「おにまる」の深セン店について、「日本の職人が常駐しており、毎日『おにぎりチーム』を率いて忙しく立ち働く様子が見らる。出来たてのおにぎりが次々に運ばれてくる光景は食欲をそそる」などと紹介した。

使われている米にも注目し、「越宝玉(こしほうぎょく)」と「おぼろづき」との品種をブレンドしていると説明。「越宝玉」の特徴は、「おにぎり作りに最適な粒立ちのよい米で手握りでもあぶりでも、粒がしっかりしている」、「おぼろづき」については粘り気があり、香りと甘みが強く、2種類をブレンドすることで、より豊かな食感と風味が楽しめる」と紹介した。

また、「あぶりうなぎと生七味」や「はちみつ漬けかつお梅」「あぶり塩ハラス」など、同店の代表的商品6種を紹介した。例えば「あぶりうなぎと生七味」では「大ぶりで新鮮な焼きうなぎが目を引く。タレを塗ってあぶられたうなぎは柔らかく口当たりがよく、まるでミニうな重を食べているような味わい」と紹介するなど、いずれも食欲をそそる書きぶりだ。

にぎり飯専門店の「おにまる」が深センに出店、香港メディアも熱い注目
京都御握丸

香港では日本旅行や日本食への人気が極めて高い。日本政府観光局(JINTO)のまとめによると、2024年通年で日本を訪問した香港人は延べ268万3391人に達した。香港の同年の人口は約753万4000人だったので、同年には老若男女をすべて含めて香港人の2.8人に一人が日本を訪れた計算になる。同様に算出した数字で、台湾人は3.9人に一人が、韓国人は5.9人に一人が、中国大陸人は202人に一人が日本を訪れているのと比べても、香港では「日本旅行熱」が極めて旺盛であることが分かる。

また、日本の農林水産省のまとめによると、24年通年の日本から香港への農林水産物および食品の輸出額は2210億円で、人口がはるかに大きい中国大陸部の1681億円を大きく上回った。

香港人の日本食の「愛好の度合い」は極めて高く、香港ではラーメンやすしなどの店舗も増え、にぎり飯専門店も存在する。
にぎり飯専門店の「おにまる」が深センに出店、香港メディアも熱い注目
京都御握丸

加えて、香港居住者にとって深センならば日帰り旅行も十分に可能で、実際に深センその他の広東省内を旅行する人は多い。香港メディアにとって、すぐ近くの深センでにぎり飯専門店が開業することは、大きな関心事と言える。

なお、香港01は「ごちそう 焼きむすび おにまる」を「京都に本店を置く名店」と紹介したが、「おにまる」を展開しているのは、愛知県名古屋市に本社を置く株式会社マリノだ。「おにまる」は24年6月に台湾の台北市内に海外1号店を開店したが、その際に店名を「京都御握丸(おにまる)台北長春店」とし、深センでの店名も「京都·御握丸 ONIMARU」と京都の地名を使ったことからの誤解と考えられる。(翻訳・編集/如月隼人)

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