2025年7月27日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、スマートフォン依存から脱却する科学的な方法について紹介する記事を掲載した。

記事は、現代の人々が1日平均4時間37分もスマホを使い、約58回も画面をチェックしていることが明らかになったと紹介した上で、あらゆる国や年齢層でスマホ依存が深刻化しており、生活に悪影響が生じるとともに、うつ病や不安などメンタルヘルスの問題にも関連しているという社会学者の見解を伝えた。

そして、スマホ依存症は渇望・依存・離脱症状という行動依存症のすべての特徴を備えており、多くのアプリやウェブサイトも、ユーザーを依存させるように意図的に設計されていると指摘。コカインのような「物質成分」がないにもかかわらず、自己制御が難しいと紹介した。

その上で、スマホ依存症を克服するための科学的なアプローチについて言及。個々人に合った複数の方法を組み合わせることが重要だとし、寝る際にスマホを寝室の外に置くなどの物理的距離の確保、通知内容を減らしたり、通知音や振動をオフにしたりといった通知の削減、画面を白黒モードにする、SNSのショートカットを削除する、複雑なパスワードを設定するなどといった使用上の「面倒」増加、セルフコントロールアプリの活用といった方法を伝えた。

さらに、「スマホいじり」を別の行動に置き換える方法も有効であると指摘。スマホを触る代わりに運動や身体活動を行うことで孤独感や不安、ストレスが緩和されるという実験結果が報告されており、外出して自然に親しむことが精神の健康にとって非常に有益であるという専門家の意見を紹介した。

記事はこのほか、スマホ依存によってメンタルヘルスや人間関係、さらには日常生活に悪影響を及ぼしている場合には専門家の診療を受けることも手段の一つだとした上で、マインドフルネス療法や認知行動療法によってスマホに関する強迫観念や強迫行動を改め、依存症の根本原因の解決につながるとした。(編集・翻訳/川尻)

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