2025年7月26日、中国のポータルサイト・捜狐に、日本のホラー漫画の巨匠・伊藤潤二氏がアイズナー賞の殿堂入りを果たしたことを紹介した記事が掲載された。

記事はまず、「日本のホラー漫画と聞いて、すぐに『伊藤潤二』の名前が思い浮かばないのなら、『富江』『うずまき』『死びとの恋わずらい』を読んだことがないのかもしれない。『アイズナー賞』は決して普通の賞ではなく、米国の漫画界におけるアカデミー賞と言われるほどの権威を持っている。そして、その中でも殿堂入りという栄誉は、漫画家としての生涯における功績を讃える最高の称号である」と述べた。

続けて、「これまでアイズナー賞の殿堂入りとなった日本人は、手塚治虫氏(『鉄腕アトム』『火の鳥』)、宮崎駿監督(『風の谷のナウシカ』『天空の城ラピュタ』)、萩尾望都氏(『ポーの一族』『百億の昼と千億の夜』)、中沢啓治氏(『はだしのゲン』)の4人だった。そして今回、伊藤氏がこの伝説的な顔触れに加わることとなり、名実ともに日本漫画界を代表する存在、いわば『国家代表』の一人となった」と言及した。

また、「伊藤氏は、今回が初の受賞というわけではない。これまでにも、19年に英語版『伊藤潤二傑作集10 フランケンシュタイン』で『最優秀コミカライズ(漫画化)作品賞』、21年に英語版『地獄星レミナ』で『最優秀アジア作品賞』と英語版『伊藤潤二短編集 BEST OF BEST』で『Best Writer/Artist部門』、22年に『伊藤潤二傑作集4 死びとの恋わずらい』で『最優秀アジア作品賞(Best U.S. Edition of International Material―Asia)』を受賞しており、そのたびに世界中のホラーファンを歓喜させてきた」と説明した。

さらに、「わずか数年の間に次々と受賞を重ね、今回ついに栄誉ある殿堂入りを果たしたことで『伊藤潤二=ホラー漫画の代名詞』という事実が、もはや世界の漫画史に刻み込まれたと言っても過言ではない。この栄誉に際し、伊藤氏は『この度アイズナー賞の殿堂入りをさせていただきました。アイズナー賞関係者の皆様、応援してくださった読者の皆様、各出版社様をはじめとする皆々様に心から感謝申し上げます。ありがとうございました!』とコメントしている」とした。

そして、「これまでホラー作品は『ニッチ』なジャンルと見なされがちだった。しかし伊藤氏は、その奇怪な線画、病的なロマン、そして細部まで描き込まれた恐怖表現によって、その壁を見事に打ち破った。まもなく62歳を迎える彼はいまなお創作を続けており、その情熱に陰りは一切見られない。彼の作品は、すでに実写映画化やアニメ化、さらにはNetflixでの短編ドラマシリーズにまで展開されており、その『背筋が凍る芸術性』は今や世界中の人々に届いている」と評した。(翻訳・編集/岩田)

編集部おすすめ