THE ORAL CIGARETTESが5作目となるアルバム『SUCK MY WORLD』をリリースする。R&Bやゴスペルからの影響を強く感じる内容だが、それは今作の特徴を示すほんのいち要素に過ぎない。
関西を拠点に活動していたオーラルは、2012年に開催されたオーディション「MASH A&R」でグランプリを獲得したことをきっかけに注目を集め始めた。「SWEET LOVE SHOWER 2013」で彼らのライブを初めて観たとき、とんでもない勢いで暴れ倒している4人の姿が強烈だったことを今でも覚えている。その後、オーラルは作品を重ねるごとにあらゆる音楽を吸収し、独自のサウンドを死にものぐるいで追求していき、その結果、彼らの努力と才能はこの傑作で大きく花開いたのだ。
理屈では説明しきれない今作の世界観は何度聴いても把握しきれず、今回のインタビューではなぜこんな作品が生まれたのか、4人に疑問をストレートにぶつけた。楽曲解説的な要素は一切ないが、『SUCK MY WORLD』で鳴っているひとつひとつの音に込められた思いや、それを鳴らすに至った経緯がつまびらかにされている。そして、最後に語られる彼らの決意に、多くのジャパニーズロックファンが胸を熱くすることだろう。そうだった、俺たちは日本のバンドからこんな言葉を聞きたかったんだ。
―『SUCK MY WORLD』は突き抜けたアルバムになりましたね。個人的に今までで一番好きな作品です。
4人 おおっ!
山中拓也(Vo) めっちゃキテるやん! すごい流れがきてるぞ、このアルバム!
―この取材の前にも同じようなことを言われたんですか。
山中 皆さん、そう言ってくださって。
―そりゃそうでしょうね。今作をもって、ほかの何者でもないTHE ORAL CIGARETTESというバンドが、サウンド的にもアティテュード的にも100%完成したという印象です。ご自身としてもやりきった感はありますか。
山中 ありますね。1曲ごとにテーマやコンセプトがあって、作業量もすごく多かったですし、新しい楽器を取り入れたり、いろんな挑戦もあったので、自分ら的にはやりきったし、すごくいい物ができたという感覚はあります。
【写真】サウンド面で超進化を遂げたTHE ORAL CIGARATTES(撮りおろしソロカットあり)
―やっぱり挑戦だったんですね。
山中 挑戦でしたね。今までやってこなかったジャンルにも手を出したので、「頭のなかでは鳴ってるのに、これをどうしたらいいのかわかんないな」みたいなことが最初はすごく多かったです。
山中のアイデアをバンドでどのように広げていくのか?
―自分のなかで鳴ってる音をバンドのものとしてひとつの形にするときって、どういう作業になるんですか。最初は山中さんのアイデアを受けて動き出すわけですよね。
鈴木重伸(Gt) 僕の場合は、アレンジに入ってくださった方のデモを聴きながら勉強したって感覚ですね。ギター、ベース、ドラムが最小限で鳴ってるデモも多くて、そこで何をするべきかをアレンジジャーの方から学ぶことが多くて。
鈴木重伸(Gt)(Photo by Hirohisa Nakano)
―例えばどんなことですか。
鈴木 例えば、ブルースの音階は知ってるけどフレーズでカッコよさを出せなくて、そういうときにそれを得意としてる人からニュアンスの付け方を教えてもらったり。自分ひとりでやってたらカッコよくならなかったと思うので、そうやって学ぶことは多かったですね。
―あきらさんはどうですか。
あきらかにあきら(Ba) 僕らは音楽を独学でしか学んでこなかったので、これまでは専門的な知識がない音に対して、なんとなく「これっぽいよね」で済ませてたんです。だけど今回は知識のある人と一緒に作業することでよりこだわれたし、今までよりも音楽的に取り組めたと思います。あとは、バンドの規模が大きくなるにつれて、今まで自分たちの強みだと思ってたオーラルらしさというか、自分たちが鳴らせばオーラルでしょうって言える自信が付いてきたのも大きな要因かなと思うし、バンドがこの規模になったからこそ自分たちをここまで壊せたのかなと思ってます。
あきらかにあきら(Ba, Cho)(Photo by Hirohisa Nakano)
―なるほど。
あきら 過去には、正攻法にならうというか、そのときの音楽シーンに求められているものを鳴らしていたこともあります。でも、だんだん音楽の本質みたいなものに拓也が目を向けるようになったのを感じてましたし、自分たちを壊していかないと僕らも世間も飽きちゃうんで、そうやってぶっ壊す勇気のあるフロントマンがうちにいてよかったなっていう感じですね。
―中西さんはいかがですか。
中西雅哉(Dr) これまで曲を作っていくなかで、ロックバンドとして、オーラルに所属するドラマーとしてのアプローチをずっと考えてきたんですけど、今回みたいに誰かがディレクションに入ってくれたり、曲に携わってくれた人が持ってきてくれたフレーズを聴いたときに、オーラルとしての演奏とかサウンドのイメージがスッとできて。「そういえば俺、こういう音楽がめっちゃ好きでライブ観に行ってるよな」って思ったんです。普段聴いてるプレイリストにもそういうジャンルの曲は入ってたんですけど、それをオーラルに還元するタイミングがなかったというか、「こういうアプローチはオーラルじゃないんじゃないか」って自分のなかで勝手にブレーキをかけていた部分があったんかなって。今回は拓也がそういう楽曲に取り組む姿勢を見せてくれたから、ナチュラルにイメージできた感じがします。
中西雅哉(Dr)(Photo by Hirohisa Nakano)
―今回、ドラムの音色が豊かだなと思ったんですけど、あれはミックスで調整してるんですか。それとも曲ごとに音作りをしたんですか。
中西 ミックスでもブラッシュアップしてますけど、今回は現場でもめちゃくちゃ音を変えてます。今回はプリプロの段階でイメージをつくって、それを実際のレコーディングでテックさんと聴きながら今まで以上に話し合ったり、エンジニアさんと相談しながら今までにない録り方をしました。それがうまくハマったのが「Fantasy」だったり。そんなふうにして録りの現場でも勉強した感じですね。
「本当のロックスター、本当のバンドって何?」を追求
―このアルバム、最初は間口が広くて聴きやすいと思っていたのが、繰り返し聴いていくうちにさらなる深さに気づいていくんですよ。本当に凝ったアルバムですよね。
山中 めちゃめちゃうれしいですね。
―フレーズ、音色、楽曲の世界観、アルバムとしてのストーリー、何ひとつとして気を抜いてない。
山中 そうですね。ひとつでも欠けたらこの世界観は伝わらないんじゃないかという恐怖感がめっちゃあったので、一瞬も気を抜かなかったし、聴覚的、視覚的、コンセプト的に今も気を抜けない状態が続いてます。
―レコーディングが終わってもまだ。
山中 ここからこのアルバムをより伝えるためにプロモーションをしていこうと思っているし、アートワークもかなり重要だし、そういう意味ではまだ気が抜けないですね。
―今回、そこまで出し切れた要因はなんですか。
山中 今までと違って、自分が生きている理由とか、伝えなきゃいけない使命を明確に感じたことが一番でかくて。だから、アイデアを出すにしてもほわっとしたものが何ひとつとしてなかったんですよ。次のMVはこれ、衣装はこれ、ジャケットはこれ、っていうふうにすごく明確だったし、サウンド面に関しても違うものは違うってすぐわかったというか。
山中拓也(Vo, Gt)(Photo by Hirohisa Nakano)
―ライブバンドとはこうあるべき、という考え方すら飛び越えた印象なんですけど、そういう感じ方って正しいですか。
山中 あ、正しいですね。
でも海外に目を向けると、先人が残してきた過去の遺産を受け継いで、それを自分の生き様で表現するロックスターがいる。日本だと表現に制限がかかったり、環境的にそういう存在を生み出せない状況になっている部分も間違いなくあって。俺はそういう制限を全部ぶっ潰してやろうと思ってるんですよ。なので、サウンド的にはロックバンドから離れたように聴こえるかもしれないですけど、精神的にはすごくロックバンドに戻った感覚が強いです。
鈴木重伸に影響を与えたキーマン
―オーラルはフェスでのし上がってきたバンドですけど、そういう場所から”いち抜けた”感じがするというか、「そこはもうどうでもいいよ」と宣言しているように感じました。これってけっこう大きなことですよね。フェスに重きを置いて活動しているバンドって表現が似通ってくるというか、ステージでやってること自体はカッコよくても先の展開が見えてしまってつまらないと感じる瞬間がけっこうあるんですよ。
4人 ふふふ。
―そういう場所からオーラルは抜け出したというか。
山中 俺もそういったことに対して「クソだな」って思うことが根源にあったりします。でも、言葉にすると「クソ」とか「しょうもない」とかマイナスな言葉にはなりますけど、それは「もっと音楽シーンをよくしていこうよ」っていうプラスの思いを込めて吐いてるんです。だから、「何かを変えたい」「変えるために俺が動く」って言えるヤツがいるのかいないのかでだいぶ違うし、そういう動きが日本にもっとあってもいいと思うので、ライターさんがそういうことを言ってくれるのは親近感が湧いてうれしいです。
―で、今作に話を戻しますけど、『SUCK MY WORLD』をつくるにあたってキーになっている音楽や出来事をそれぞれ挙げていただきたいんですが。
鈴木 僕はひとりいますね。ライブでマニピュレーターをやってくれているケイさんという人がいて、去年の「PARASITE DEJAVU」前後ぐらいだったと思うんですけど、「シゲくんのフレーズはすごく特徴的だし大切なものだと思うけど、それを弾かなきゃっていう思いに囚われすぎてライブを楽しみきれてないんじゃないかって思うことがあるんだよね」って言われて。そういう考え方は自分のなかになくて、これまでずっと「レコーディングでこうやって弾いたんだから、ライブでも同じように弾くよね」っていう感覚でやってたんです。
―そうだったんですね。
鈴木 「そこに囚われずに弾いてみたらもっと何かあるんじゃないかな」って。その会話のあとにレコーディングがあって、コードのハネ感だったり、次のストロークへの流れのきれいさだったり、そういうところがポイントになっている曲が多かったんですけど、そこを大切だと思えたのはケイさんからのアドバイスが大きかったのかな。それがなかったら「コードは正確に弾けばいいんでしょ」っていうことになっていたと思います。実際はそうじゃないし、あのときの会話で気持ちが切り替わったというか、「もっといろんなものを求めていっていいんだ」っていうことがわかりました。それはアルバムにつながる大事なアドバイスでしたね。今回、出し切ったは出し切ったんですけど、アルバムの制作の間にも学ぶことが多かったので、この先もっと楽しいことが待ってるんだろうなって思ってます。
―バンドとして新しいフェイズが始まった感がありますけど、鈴木さん個人としても大きく変化していたんですね。
鈴木 そうですね。あのタイミングで変われたのは大きいと思います。
リズム隊の嗜好と新作の方向性
―中西さんはどうですか。
中西 さっきの話と少しカブるんですけど、僕はもともと、プライベートで音楽を聴くときに同じアーティストの曲を聴き続けるってことがなくて、プレイリストが常に変わっていくタイプなんです。ライブを観に行くのも好きで、500人ぐらいのハコから東京ドームまで、J-POP、K-POP、ダンスユニット……ジャンル問わず観に行く。それはライブ演出の勉強のためっていうのもあるんですけど、ボーカリストとしてすごいパワーを持っている人の後ろで叩いてるドラマーってどんなんなんやろっていうのに特に興味があって。お客さんはボーカリストのパワーのすごさに熱狂しているけど、その後ろにいる人たちのパワーのエグさを観るのも楽しいんですよね。そういう理由もあって、バンドに限らずジャンルレスに聴くのが好きっていうのが根本にあるんです。
―最近東京ドームであったK-POPのライブっていうと、BLACKPINKとかですか?
中西 BLACKPINKは観に行けなかったんですけど、K-POPだとIZ*ONEも行ったし、テイラー・スウィフト、ブルーノ・マーズ、三代目 J SOUL BROTHERS、GENERATIONS……本当になんでも行きたくなっちゃう人で。
―4人のなかでは一番雑食ですか。
中西 そうですね。で、今回のアルバムに入る曲のラインナップを見たときに、すごくジャンルレスというか、普段自分が聴いてるプレイリストに近いというか、自分の生活リズムとか音楽ライフにすごくハマったんです。なので、制作のときに「こういうジャンルの曲か……そういえば、あのとき観たライブでこんな曲やってたな」みたいにナチュラルにつくっていけたっていうのはありますね。「このジャンルはどんな感じなんだろう」ってがんばって勉強するんじゃなくて、自分のなかにある引き出しを開けて、自然にそこから探してる感覚でした。
―山中さんがつくったデモがそういう引き出しを開けるきっかけになったと。あきらさんはどうですか。
あきら このアルバムをつくるにあたって、拓也が「過去に戻っていきたい」「根源を辿っていきたい」っていう話をしていて。で、その話とは関係なく、1年前ぐらいにデザインをやってる友達に誘われてソウルバーに行ったんですね。もともとソウルも好きやったんですけど、そのお店で古い音楽をいい音質で聴いたら、音数の少なさに改めて驚いて。それがきっかけで、オハイオ・プレイヤーズとかアレサ・フランクリンみたいな過去の名盤をひたすら聴いてた時期があって、それが今につながってるところはあると思います。
ロックスターの本質を知るためにロックの歴史を辿る
―ああ、それは納得がいきます。山中さんはどうでしょう。
山中 ジャンル的にはまず、ポストパンクに目をつけました。あとは、ロックスターってもともとどういうものやったんやろ、その時代に何があったのか辿ろうっていうところから、ブラー、オアシス、ミューズとかいろんなバンドのドキュメンタリーを漁りまくったんですよ。それでその人たちが活躍した時代背景を知ったり、「なるほどね。それでこの音楽を奏でてるのか」とか、「パンクからこの音楽に変化したのはそういうことだったのか。パンク、かっこいいな」みたいにロックの歴史をたどっていって。それで、「じゃあ、今、USのアーティストが何をやってるんだろう」って見てみると、「ああ、めっちゃUKからの流れを食らってるやん。前まであったUSのロックシーンはどこいったんやろう。ああ、ONE OK ROCKがやろうとしてるやん。かっこいいな、ONE OK ROCK」って、勉強すればするほど歴史がつながっていく。
―その感覚、わかります。様々なバンドのドキュメンタリーを観るなかでほかにどういうことが刺激になりましたか。
山中 自分に対する圧倒的な自信があって、世間を巻き込んでいくときの見せ方をわかっている人が多くて、それにしっかり付いていくメンバーがいたり、すべてがちゃんとハマってる感覚が世の中を変えてきたバンドにはあると思いました。
―うんうん。
山中 あと、オアシスと競わされて「テッペンはどっちだ?」とか騒がれたとき、「俺らはどっちが1位だなんて全く考えてないのに、無理やり戦わせて盛り上げようとしてるメディアがクソうざい」みたいな話をブラーがしていて。あそこまでの立場になってもそういう反骨精神を持ち続けられるメンタルの強さのもとはマンパワーにあると思うんです。だから、ファンがアーティストに魅了されるのって、まず前提として音楽があるけれど、やっぱり人なんだなっていうことをすごく感じました。その人の生き様だったり人生が表れるステージングにみんなは惚れると思うし、音楽を追求していくことも大事なことのひとつだけど、それ以前に人間としてどうあるべきなのか、人間としての経験値をどうやって積んでいくのかっていうことのほうが俺はもっと大事なんじゃないかなって思いました。
―たしかにそうですね。
山中 そういう流れを学んだ上で今回、THE ORAL CIGARETTESとして何ができるのか考えたときに、海外に行って活躍してる日本人の先輩方はたくさんいて、自分はそれをリスペクトしてるしカッコいいと思ってる。だけど、俺らがやるべきことは、海外の流れを全部踏まえた上で、誰よりも早く日本で新しい音楽を鳴らすこと、海外から見ても「あいつらイケてんなあ!」って思われるような存在に早くなることだと思ったんですよね。つまり、自分たちの音楽を海外のシーンに順応させていくんじゃなくて、日本という場所自体をカッコよくするのが俺らの仕事なんじゃないかなとすごく感じたんです。
―なるほど。
山中 そう考えるようになったのは88risingの存在も大きくて。あの人たちが現れたおかげでアジアのヒップホップシーンはすごく活性化されたのに、ロックシーンにそういう存在がいないのはおかしくないかって。それで今回のアルバムは、過去に残してもらったものに対してリスペクトを示しつつ、そのサウンドのよさを今のリスナーに伝えられるようなものと、俺らが2020年代にできることを足し算、掛け算してつくりたいと思うようになりました。
―ああ、少しずつ今作の狙いが見えてきました。
山中 あと、今回の作品はゴスペルとかクリスチャンミュージックにハマったことも大きくて。ヒップホップとゴスペルを混ぜたチャンス・ザ・ラッパーが出てきたことが当時、すごく衝撃で、日本のヒップホップにもその流れが絶対来るって前から言ってたんです。そういうこともあって、「DIP-BAP」(2016年7月リリース)はヒップホップのトラックを意識してつくったところがあって。
―そういう流れがあったんですね。
山中 あと、今回は外部の人と初めて手を組んでますけど、それは日本人によくある変な蹴落とし合いの文化がこの国を悪くしてるなと思ったからなんです。フェス競争みたいなものがあるなかで、誰がメインステージに立つのかばかり気にしたり、「あいつ、病気になったんだ。ライブできないじゃん、ラッキー」とか思ってるようなヤツも少なからずいるやろ、みたいな。それじゃあ日本はずっと成長せぇへんなってすごく感じてたんですよね。
―わかります。
山中 だから、いいものはいいって認めて、いろんな人と手を取り合ってひとつの最高の音楽をつくることを考えるのがバンドマンの本来あるべき姿なんじゃないかと感じたから、今回、シンガーのロザリーナをフィーチャーしたりしてるんですよ。そうやっていろんなことを先人から教わって、今の自分たちなりに昇華したのが『SUCK MY WORLD』なのかなと感じてます。
山中が偏愛する90sヒップホップ
―僕のイメージにはなかったんですけど、山中さんは90年代ヒップホップにどっぷりらしいですね。
山中 どっぷりですね。なので僕、最近のラッパーが正直あまりわかってなくて。全部一緒に聞こえるというか。
―ああ、その感覚はわかりますよ! 僕も同じです。
山中 多分、90年代のヒップホップの現場ではあまり起こらなかったモッシュみたいなものが、トラップをきっかけにどんどん増えてきたことでライブがもっと面白くなっていって、そういう部分にみんな熱狂してるんだろうなとはわかりつつ、それでも僕は90年代のヒップホップのほうが全然カッコいいといまだに思ってて。でも、メンタル面でカッコいいラッパーは今もいっぱいいると思うし、チャンス(・ザ・ラッパー)とかカニエ(・ウェスト)とかタイラー(ザ・クリエイター)なんて「どんだけ先を読んでんねやろ?」って思わされるから、そのあたりはちゃんと聴こうと思ってますけど、それ以外はデビューしたてのUKのラッパーばかり聴いてます。
―『SUCK MY WORLD』も、女性コーラスの雰囲気に90年代前後のR&Bを感じるんですよね。ほんのり懐かしい。
山中 それは意図してなかったけどすごくうれしいです。
―今の話を聞いてもまだ、なぜこんな音になったのかまだ完全には見えないですね。
あきら 今回は拓也がすごくわかりやすく1曲1曲のテーマを提示してくれたんですよ。「この曲はこういう雰囲気だから」ってほかのアーティストの音源を共有してもらったことで取り組みやすくなったのはありますね。
―山中さんはよくこんなアイデアが浮かびましたね。
山中 今からする話を気持ち悪いって言われたらそれで終わりなんですけど……去年、変なスピリチュアル体験をして、その話をメンバーと共有するところからこのアルバムは始まってるんですよ。
―なんですか、それは。
山中 僕、去年の夏フェスシーズンに泊まったホテルで初めて気絶というものをして、そのときに気持ち悪い夢みたいなものをみたんですよ。
―ほう。
山中 その夢のなかでは自分の体は存在してなくて、目の前にいるメンバーに何かを託している。そんな自分をさらに客観的に見ている自分がいるっていうのがメインの世界線として走ってて、その両側にはスロットのレールみたいに別の軸が流れてるんですよ。片方は過去の自分が走馬灯のように回ってて、もう片方にはこれから先に歩むであろう未来の自分が回ってる。それが時々<777>みたいに同じ画で揃うっていう変な夢で。目が覚めてから「何の夢やったんやろ?」って考えてみたらすぐにわかった。「これって、自分の人生のレールはすでに敷かれたものっていうことなのかも。てことは、この先も何がどうなるのか全部決まってるんだな」って。
―なるほど。
山中 これまでの人生、自分の意志で生きてきたつもりだったけどそうじゃなくて、「誰かに生かされてるんだ」ってそのときに思ったんです。人生って永遠に回り続けてて、たとえ死んだとしてもまた同じ人生を繰り返すんじゃないかって。人間から蛇口に生まれ変わるなんてことはないんですよ(笑)。
―うんうん(笑)。
山中 人間から人間に生まれ変わることは決まっていて、だからこそ出会うべく人と出会っていくし、でも毎回少しのズレみたいなものがあって、勇気をもって前に一歩踏み出すことで前世で残せなかった新しい何かを残せるようになる。人生ってそういうちょっとしたアップデートの繰り返しなんじゃないかって。
―面白いですね。
山中 人生にはレールを外れる怖さっていうのがあるけど、そこから敢えて外れることで何か大きなものを生み出すことができるから、そのためには自分の感情と常にちゃんと向き合っていかなあかんねやろうなっていうことを考え続けてたら、過去の偉人の人生にすごく興味が湧いてきて、それを辿っていこうとしたのがさっき話した過去を掘っていった理由のひとつなんです。
「イケてる」って言葉の軽薄さ
―ああ、話がつながりました。この話を聞いた3人はどう感じましたか。なかなかぶっ飛んだエピソードですが。
鈴木 「何を言ってるんだ」とは全然思わなくて、自分にはない感覚だったし、拓也はこれまでもそうやって何かを提示してきているから、次の目的地へ向けて走り出す準備ができてることがわかってうれしかったっていう感覚が大きかったですね。
―『SUCK MY WORLD』は山中さんの頭のなかにあるものを具現化していく作業でもあったんですね。
鈴木 そうなんですけど、具現化すべきものがより明確だったので、僕自身が何かをするというよりは、そこから学んで吸収したものを音に落とし込んでいく感じでした。
―最近は、「こうすればこうなる」みたいな方法論がいくつもありますけど、やっぱり音楽って理屈じゃないんですねぇ。
山中 すべてのもとにあるのは反骨精神だと思います。「こういう世界は嫌だな」「変えたいな」っていう意志とともにつくった気がします。俺は「イケてる」って言葉が嫌いで。すごく薄っぺらく感じるんですよね。東京で言う”イケてる”って、正直、そこまでイケてないと思うし、世間の流れとか流行りっていうのがすごく嫌い。オーラルはそことずっと戦ってきたバンドだとも思います。たくさんの人に認められることが”イケてる”ことではないと思うし、逆にたくさんの人たちに認められてるメジャーなバンドのことを”イケてない”感じで揶揄するのも違うじゃないですか。そういうのを見ているうちに日本のシーンに対するアンチ精神が強くなってきたんだと思います。でも、さっき言ったように、それは決してネガティブなものではなくて、「日本のバンドはもっとカッコよくなれる実力があるのにもったいないよ」っていう気持ちだし、そういう流れをもっと広められるバンドになれたらいいなと思ってます。
―今日の話から、自分たちが日本のシーンを引っ張っていくんだという意識をはっきり感じます。
山中 はい。今、その気持ちはめっちゃあります。次にどうやってオーラルを動かしていくかも考えてるし、絶対自分についてきてくれる、メンバーという最強の味方がいるから怖くないです。まあ、メンバーから批判され始めたら終わりだとは思うんですけど。もしそうなったら、「俺、もう奈良に帰るわ!」ってなりますね(笑)。
―あはは!
山中 でも、ほかにも力強い仲間がたくさんいるし、みんなと手を取り合って変えていきたいと思ってます。
―ここ何年か、堂々と先頭に立ってシーンを引っ張っていこうとするバンドってあまりいなかったと思うので頼もしいですね。自分たちならやれるという自信はありますか。
山中 あります。自分たちの強みってファンとの信頼関係がめちゃめちゃ強いところだと思うんです。オーラルはファンが爆発的に増えたわけじゃないし、いきなりドームでできるぐらい客層が広がったわけでもない。CDのセールスも少しずつ増やしながら、地べたを這いつくばってファンとの関係を強くしてきたので、彼らへの愛はどんどん強くなってきてる。バンドの規模がここまで大きくなった今、俺ら4人だけじゃなくて、スタッフもファンも込みで、オーラルはもっと大きいものを変えられるような気がしています。
<INFORMATION>
『SUCK MY WORLD』
THE ORAL CIGARETTES
A-Sketch
発売中
1. Introduction
2. Tonight the silence kills me with your fire
3. Fantasy
4. Dream In Drive
5. Maze
6. Dont you think
7. Hallelujah
8. Breathe
9. ワガママで誤魔化さないで ※TVアニメ「revisions リヴィジョンズ 」OPテーマ
10. Shine Holder
11. Naked
12. Color Tokyo
13. From Dusk Till Dawn
14. The Given
15. Slowly but surely I go on
■商品仕様
初回盤A:CD+DVD / ¥3,900(tax out)/ AZZS-104
初回盤B:CD+Blu-ray / ¥4,900(tax out)/ AZZS-105
※初回盤三方背特殊スリーブケース仕様/ジャケットコレクション
通常盤:CD / ¥3,000(tax out)/ AZCS-1090
■初回盤DVD/Blu-ray収録内容
「PARASITE DEJAVU ~2DAYS OPEN AIR SHOW~」DAY1 ONE MAN SHOW at 泉大津フェニックス(2019.9.14)
■初回プレス封入特典
BKW!!カード(SUCK MY WORLD ver.)
※全形態共通
COUPLING TOUR 「Tonight the silence kills me with your fire」振替公演
6月08日(月)広 島 BLUE LIVE 広島 w/GOOD ON THE REEL
6月09日(火)山 口 周南 RISING HALL w/GOOD ON THE REEL
6月11日(木)岐 阜 EVENTHALL club-G w/tricot
6月12日(金)静 岡 SOUND SHOWER ark w/tricot
7月16日(木)石 川 金沢 EIGHT HALL w/ラックライフ
7月17日(金)新 潟 新潟LOTS w/ラックライフ
7月21日(火)神奈川 川崎 CLUB CITTA w/Crossfaith
7月22日(水)群 馬 高崎 club FLEEZ w/Crossfaith
7月28日(火)福 岡 Zepp Fukuoka w/MY FIRST STORY
7月29日(水)鹿児島 CAPARVO HALL w/MY FIRST STORY
8月25日(火)宮 城 仙台GIGS w/ODD FOOT WORKS
8月26日(水)山 形 山形ミュージック昭和Session w/ODD FOOT WORKS
THE ORAL CIGARETTES JAPAN ARENA TOUR 2020
2020年5月30日(土)さいたまスーパーアリーナ
2020年5月31日(日)さいたまスーパーアリーナ
2020年6月20日(土)ポートメッセなごや3号館
2020年7月07日(火)大阪城ホール
2020年7月08日(水)大阪城ホール
チケット代:¥6,500(税込)
・状況により開催中止・延期となる場合もございます。最新情報はオフィシャルHPにてご確認ください。
https://theoralcigarettes.com/
THE ORAL CIGARETTES ✕ TSUTAYA SPECIAL WEB POP UP SHOP公式サイト
http://tsutaya.jp/theoralcigarettes/
※こちらの商品は5月中旬のお届けを予定しております。お届け日が決まりましたら、メールにてお知らせいたします。
※数量限定販売となります。予めご了承のほどよろしくお願いします。
※「THE ORAL CARE トラベルセット」以外の商品は、今後のライブ会場グッズ販売やTHE ORAL CIGARETTES OFFICIAL SHOP(公式サイト通販)でも取り扱いの可能性がございます。
※価格/詳細に関しては、TSUTAYAオンラインショッピング商品ページをご確認ください→ https://tsutaya.tsite.jp/feature/music/toc/index
聴けば聴くほど緻密に練られた音の重なりに唸らされることだろう。
関西を拠点に活動していたオーラルは、2012年に開催されたオーディション「MASH A&R」でグランプリを獲得したことをきっかけに注目を集め始めた。「SWEET LOVE SHOWER 2013」で彼らのライブを初めて観たとき、とんでもない勢いで暴れ倒している4人の姿が強烈だったことを今でも覚えている。その後、オーラルは作品を重ねるごとにあらゆる音楽を吸収し、独自のサウンドを死にものぐるいで追求していき、その結果、彼らの努力と才能はこの傑作で大きく花開いたのだ。
理屈では説明しきれない今作の世界観は何度聴いても把握しきれず、今回のインタビューではなぜこんな作品が生まれたのか、4人に疑問をストレートにぶつけた。楽曲解説的な要素は一切ないが、『SUCK MY WORLD』で鳴っているひとつひとつの音に込められた思いや、それを鳴らすに至った経緯がつまびらかにされている。そして、最後に語られる彼らの決意に、多くのジャパニーズロックファンが胸を熱くすることだろう。そうだった、俺たちは日本のバンドからこんな言葉を聞きたかったんだ。
―『SUCK MY WORLD』は突き抜けたアルバムになりましたね。個人的に今までで一番好きな作品です。
4人 おおっ!
山中拓也(Vo) めっちゃキテるやん! すごい流れがきてるぞ、このアルバム!
―この取材の前にも同じようなことを言われたんですか。
山中 皆さん、そう言ってくださって。
―そりゃそうでしょうね。今作をもって、ほかの何者でもないTHE ORAL CIGARETTESというバンドが、サウンド的にもアティテュード的にも100%完成したという印象です。ご自身としてもやりきった感はありますか。
山中 ありますね。1曲ごとにテーマやコンセプトがあって、作業量もすごく多かったですし、新しい楽器を取り入れたり、いろんな挑戦もあったので、自分ら的にはやりきったし、すごくいい物ができたという感覚はあります。
【写真】サウンド面で超進化を遂げたTHE ORAL CIGARATTES(撮りおろしソロカットあり)
―やっぱり挑戦だったんですね。
山中 挑戦でしたね。今までやってこなかったジャンルにも手を出したので、「頭のなかでは鳴ってるのに、これをどうしたらいいのかわかんないな」みたいなことが最初はすごく多かったです。
山中のアイデアをバンドでどのように広げていくのか?
―自分のなかで鳴ってる音をバンドのものとしてひとつの形にするときって、どういう作業になるんですか。最初は山中さんのアイデアを受けて動き出すわけですよね。
鈴木重伸(Gt) 僕の場合は、アレンジに入ってくださった方のデモを聴きながら勉強したって感覚ですね。ギター、ベース、ドラムが最小限で鳴ってるデモも多くて、そこで何をするべきかをアレンジジャーの方から学ぶことが多くて。
それはみんなも同じだったと思います。
鈴木重伸(Gt)(Photo by Hirohisa Nakano)
―例えばどんなことですか。
鈴木 例えば、ブルースの音階は知ってるけどフレーズでカッコよさを出せなくて、そういうときにそれを得意としてる人からニュアンスの付け方を教えてもらったり。自分ひとりでやってたらカッコよくならなかったと思うので、そうやって学ぶことは多かったですね。
―あきらさんはどうですか。
あきらかにあきら(Ba) 僕らは音楽を独学でしか学んでこなかったので、これまでは専門的な知識がない音に対して、なんとなく「これっぽいよね」で済ませてたんです。だけど今回は知識のある人と一緒に作業することでよりこだわれたし、今までよりも音楽的に取り組めたと思います。あとは、バンドの規模が大きくなるにつれて、今まで自分たちの強みだと思ってたオーラルらしさというか、自分たちが鳴らせばオーラルでしょうって言える自信が付いてきたのも大きな要因かなと思うし、バンドがこの規模になったからこそ自分たちをここまで壊せたのかなと思ってます。
あきらかにあきら(Ba, Cho)(Photo by Hirohisa Nakano)
―なるほど。
あきら 過去には、正攻法にならうというか、そのときの音楽シーンに求められているものを鳴らしていたこともあります。でも、だんだん音楽の本質みたいなものに拓也が目を向けるようになったのを感じてましたし、自分たちを壊していかないと僕らも世間も飽きちゃうんで、そうやってぶっ壊す勇気のあるフロントマンがうちにいてよかったなっていう感じですね。
―中西さんはいかがですか。
中西雅哉(Dr) これまで曲を作っていくなかで、ロックバンドとして、オーラルに所属するドラマーとしてのアプローチをずっと考えてきたんですけど、今回みたいに誰かがディレクションに入ってくれたり、曲に携わってくれた人が持ってきてくれたフレーズを聴いたときに、オーラルとしての演奏とかサウンドのイメージがスッとできて。「そういえば俺、こういう音楽がめっちゃ好きでライブ観に行ってるよな」って思ったんです。普段聴いてるプレイリストにもそういうジャンルの曲は入ってたんですけど、それをオーラルに還元するタイミングがなかったというか、「こういうアプローチはオーラルじゃないんじゃないか」って自分のなかで勝手にブレーキをかけていた部分があったんかなって。今回は拓也がそういう楽曲に取り組む姿勢を見せてくれたから、ナチュラルにイメージできた感じがします。
中西雅哉(Dr)(Photo by Hirohisa Nakano)
―今回、ドラムの音色が豊かだなと思ったんですけど、あれはミックスで調整してるんですか。それとも曲ごとに音作りをしたんですか。
中西 ミックスでもブラッシュアップしてますけど、今回は現場でもめちゃくちゃ音を変えてます。今回はプリプロの段階でイメージをつくって、それを実際のレコーディングでテックさんと聴きながら今まで以上に話し合ったり、エンジニアさんと相談しながら今までにない録り方をしました。それがうまくハマったのが「Fantasy」だったり。そんなふうにして録りの現場でも勉強した感じですね。
「本当のロックスター、本当のバンドって何?」を追求
―このアルバム、最初は間口が広くて聴きやすいと思っていたのが、繰り返し聴いていくうちにさらなる深さに気づいていくんですよ。本当に凝ったアルバムですよね。
山中 めちゃめちゃうれしいですね。
―フレーズ、音色、楽曲の世界観、アルバムとしてのストーリー、何ひとつとして気を抜いてない。
山中 そうですね。ひとつでも欠けたらこの世界観は伝わらないんじゃないかという恐怖感がめっちゃあったので、一瞬も気を抜かなかったし、聴覚的、視覚的、コンセプト的に今も気を抜けない状態が続いてます。
―レコーディングが終わってもまだ。
山中 ここからこのアルバムをより伝えるためにプロモーションをしていこうと思っているし、アートワークもかなり重要だし、そういう意味ではまだ気が抜けないですね。
―今回、そこまで出し切れた要因はなんですか。
山中 今までと違って、自分が生きている理由とか、伝えなきゃいけない使命を明確に感じたことが一番でかくて。だから、アイデアを出すにしてもほわっとしたものが何ひとつとしてなかったんですよ。次のMVはこれ、衣装はこれ、ジャケットはこれ、っていうふうにすごく明確だったし、サウンド面に関しても違うものは違うってすぐわかったというか。
山中拓也(Vo, Gt)(Photo by Hirohisa Nakano)
―ライブバンドとはこうあるべき、という考え方すら飛び越えた印象なんですけど、そういう感じ方って正しいですか。
山中 あ、正しいですね。
音源もライブも生き様を見てもらうものだと思ってるし、音源に対してどういうメッセージが込められているかがロックバンドには問われていると思ってるから、「サウンドが今っぽくていいよね」っていうのはすごく薄っぺらいし、何がコンセプトで何を伝えたいのか、みんなに何を感じてほしいのかが明確に見えていないと俺は1ミリもいい音楽だと思わないんです。今回のアルバムでは「本当のロックスター、本当のバンドって何?」っていうところをすごく追求していて。最近の日本だとそういう存在があまり思い浮かばなかったんですよね。
でも海外に目を向けると、先人が残してきた過去の遺産を受け継いで、それを自分の生き様で表現するロックスターがいる。日本だと表現に制限がかかったり、環境的にそういう存在を生み出せない状況になっている部分も間違いなくあって。俺はそういう制限を全部ぶっ潰してやろうと思ってるんですよ。なので、サウンド的にはロックバンドから離れたように聴こえるかもしれないですけど、精神的にはすごくロックバンドに戻った感覚が強いです。
鈴木重伸に影響を与えたキーマン
―オーラルはフェスでのし上がってきたバンドですけど、そういう場所から”いち抜けた”感じがするというか、「そこはもうどうでもいいよ」と宣言しているように感じました。これってけっこう大きなことですよね。フェスに重きを置いて活動しているバンドって表現が似通ってくるというか、ステージでやってること自体はカッコよくても先の展開が見えてしまってつまらないと感じる瞬間がけっこうあるんですよ。
4人 ふふふ。
―そういう場所からオーラルは抜け出したというか。
だから、この作品の存在はほかのバンドにも影響を与えそうな気がします。
山中 俺もそういったことに対して「クソだな」って思うことが根源にあったりします。でも、言葉にすると「クソ」とか「しょうもない」とかマイナスな言葉にはなりますけど、それは「もっと音楽シーンをよくしていこうよ」っていうプラスの思いを込めて吐いてるんです。だから、「何かを変えたい」「変えるために俺が動く」って言えるヤツがいるのかいないのかでだいぶ違うし、そういう動きが日本にもっとあってもいいと思うので、ライターさんがそういうことを言ってくれるのは親近感が湧いてうれしいです。
―で、今作に話を戻しますけど、『SUCK MY WORLD』をつくるにあたってキーになっている音楽や出来事をそれぞれ挙げていただきたいんですが。
鈴木 僕はひとりいますね。ライブでマニピュレーターをやってくれているケイさんという人がいて、去年の「PARASITE DEJAVU」前後ぐらいだったと思うんですけど、「シゲくんのフレーズはすごく特徴的だし大切なものだと思うけど、それを弾かなきゃっていう思いに囚われすぎてライブを楽しみきれてないんじゃないかって思うことがあるんだよね」って言われて。そういう考え方は自分のなかになくて、これまでずっと「レコーディングでこうやって弾いたんだから、ライブでも同じように弾くよね」っていう感覚でやってたんです。
―そうだったんですね。
鈴木 「そこに囚われずに弾いてみたらもっと何かあるんじゃないかな」って。その会話のあとにレコーディングがあって、コードのハネ感だったり、次のストロークへの流れのきれいさだったり、そういうところがポイントになっている曲が多かったんですけど、そこを大切だと思えたのはケイさんからのアドバイスが大きかったのかな。それがなかったら「コードは正確に弾けばいいんでしょ」っていうことになっていたと思います。実際はそうじゃないし、あのときの会話で気持ちが切り替わったというか、「もっといろんなものを求めていっていいんだ」っていうことがわかりました。それはアルバムにつながる大事なアドバイスでしたね。今回、出し切ったは出し切ったんですけど、アルバムの制作の間にも学ぶことが多かったので、この先もっと楽しいことが待ってるんだろうなって思ってます。
―バンドとして新しいフェイズが始まった感がありますけど、鈴木さん個人としても大きく変化していたんですね。
鈴木 そうですね。あのタイミングで変われたのは大きいと思います。
リズム隊の嗜好と新作の方向性
―中西さんはどうですか。
中西 さっきの話と少しカブるんですけど、僕はもともと、プライベートで音楽を聴くときに同じアーティストの曲を聴き続けるってことがなくて、プレイリストが常に変わっていくタイプなんです。ライブを観に行くのも好きで、500人ぐらいのハコから東京ドームまで、J-POP、K-POP、ダンスユニット……ジャンル問わず観に行く。それはライブ演出の勉強のためっていうのもあるんですけど、ボーカリストとしてすごいパワーを持っている人の後ろで叩いてるドラマーってどんなんなんやろっていうのに特に興味があって。お客さんはボーカリストのパワーのすごさに熱狂しているけど、その後ろにいる人たちのパワーのエグさを観るのも楽しいんですよね。そういう理由もあって、バンドに限らずジャンルレスに聴くのが好きっていうのが根本にあるんです。
―最近東京ドームであったK-POPのライブっていうと、BLACKPINKとかですか?
中西 BLACKPINKは観に行けなかったんですけど、K-POPだとIZ*ONEも行ったし、テイラー・スウィフト、ブルーノ・マーズ、三代目 J SOUL BROTHERS、GENERATIONS……本当になんでも行きたくなっちゃう人で。
―4人のなかでは一番雑食ですか。
中西 そうですね。で、今回のアルバムに入る曲のラインナップを見たときに、すごくジャンルレスというか、普段自分が聴いてるプレイリストに近いというか、自分の生活リズムとか音楽ライフにすごくハマったんです。なので、制作のときに「こういうジャンルの曲か……そういえば、あのとき観たライブでこんな曲やってたな」みたいにナチュラルにつくっていけたっていうのはありますね。「このジャンルはどんな感じなんだろう」ってがんばって勉強するんじゃなくて、自分のなかにある引き出しを開けて、自然にそこから探してる感覚でした。
―山中さんがつくったデモがそういう引き出しを開けるきっかけになったと。あきらさんはどうですか。
あきら このアルバムをつくるにあたって、拓也が「過去に戻っていきたい」「根源を辿っていきたい」っていう話をしていて。で、その話とは関係なく、1年前ぐらいにデザインをやってる友達に誘われてソウルバーに行ったんですね。もともとソウルも好きやったんですけど、そのお店で古い音楽をいい音質で聴いたら、音数の少なさに改めて驚いて。それがきっかけで、オハイオ・プレイヤーズとかアレサ・フランクリンみたいな過去の名盤をひたすら聴いてた時期があって、それが今につながってるところはあると思います。
ロックスターの本質を知るためにロックの歴史を辿る
―ああ、それは納得がいきます。山中さんはどうでしょう。
山中 ジャンル的にはまず、ポストパンクに目をつけました。あとは、ロックスターってもともとどういうものやったんやろ、その時代に何があったのか辿ろうっていうところから、ブラー、オアシス、ミューズとかいろんなバンドのドキュメンタリーを漁りまくったんですよ。それでその人たちが活躍した時代背景を知ったり、「なるほどね。それでこの音楽を奏でてるのか」とか、「パンクからこの音楽に変化したのはそういうことだったのか。パンク、かっこいいな」みたいにロックの歴史をたどっていって。それで、「じゃあ、今、USのアーティストが何をやってるんだろう」って見てみると、「ああ、めっちゃUKからの流れを食らってるやん。前まであったUSのロックシーンはどこいったんやろう。ああ、ONE OK ROCKがやろうとしてるやん。かっこいいな、ONE OK ROCK」って、勉強すればするほど歴史がつながっていく。
―その感覚、わかります。様々なバンドのドキュメンタリーを観るなかでほかにどういうことが刺激になりましたか。
山中 自分に対する圧倒的な自信があって、世間を巻き込んでいくときの見せ方をわかっている人が多くて、それにしっかり付いていくメンバーがいたり、すべてがちゃんとハマってる感覚が世の中を変えてきたバンドにはあると思いました。
―うんうん。
山中 あと、オアシスと競わされて「テッペンはどっちだ?」とか騒がれたとき、「俺らはどっちが1位だなんて全く考えてないのに、無理やり戦わせて盛り上げようとしてるメディアがクソうざい」みたいな話をブラーがしていて。あそこまでの立場になってもそういう反骨精神を持ち続けられるメンタルの強さのもとはマンパワーにあると思うんです。だから、ファンがアーティストに魅了されるのって、まず前提として音楽があるけれど、やっぱり人なんだなっていうことをすごく感じました。その人の生き様だったり人生が表れるステージングにみんなは惚れると思うし、音楽を追求していくことも大事なことのひとつだけど、それ以前に人間としてどうあるべきなのか、人間としての経験値をどうやって積んでいくのかっていうことのほうが俺はもっと大事なんじゃないかなって思いました。
―たしかにそうですね。
山中 そういう流れを学んだ上で今回、THE ORAL CIGARETTESとして何ができるのか考えたときに、海外に行って活躍してる日本人の先輩方はたくさんいて、自分はそれをリスペクトしてるしカッコいいと思ってる。だけど、俺らがやるべきことは、海外の流れを全部踏まえた上で、誰よりも早く日本で新しい音楽を鳴らすこと、海外から見ても「あいつらイケてんなあ!」って思われるような存在に早くなることだと思ったんですよね。つまり、自分たちの音楽を海外のシーンに順応させていくんじゃなくて、日本という場所自体をカッコよくするのが俺らの仕事なんじゃないかなとすごく感じたんです。
―なるほど。
山中 そう考えるようになったのは88risingの存在も大きくて。あの人たちが現れたおかげでアジアのヒップホップシーンはすごく活性化されたのに、ロックシーンにそういう存在がいないのはおかしくないかって。それで今回のアルバムは、過去に残してもらったものに対してリスペクトを示しつつ、そのサウンドのよさを今のリスナーに伝えられるようなものと、俺らが2020年代にできることを足し算、掛け算してつくりたいと思うようになりました。
―ああ、少しずつ今作の狙いが見えてきました。
山中 あと、今回の作品はゴスペルとかクリスチャンミュージックにハマったことも大きくて。ヒップホップとゴスペルを混ぜたチャンス・ザ・ラッパーが出てきたことが当時、すごく衝撃で、日本のヒップホップにもその流れが絶対来るって前から言ってたんです。そういうこともあって、「DIP-BAP」(2016年7月リリース)はヒップホップのトラックを意識してつくったところがあって。
―そういう流れがあったんですね。
山中 あと、今回は外部の人と初めて手を組んでますけど、それは日本人によくある変な蹴落とし合いの文化がこの国を悪くしてるなと思ったからなんです。フェス競争みたいなものがあるなかで、誰がメインステージに立つのかばかり気にしたり、「あいつ、病気になったんだ。ライブできないじゃん、ラッキー」とか思ってるようなヤツも少なからずいるやろ、みたいな。それじゃあ日本はずっと成長せぇへんなってすごく感じてたんですよね。
―わかります。
山中 だから、いいものはいいって認めて、いろんな人と手を取り合ってひとつの最高の音楽をつくることを考えるのがバンドマンの本来あるべき姿なんじゃないかと感じたから、今回、シンガーのロザリーナをフィーチャーしたりしてるんですよ。そうやっていろんなことを先人から教わって、今の自分たちなりに昇華したのが『SUCK MY WORLD』なのかなと感じてます。
山中が偏愛する90sヒップホップ
―僕のイメージにはなかったんですけど、山中さんは90年代ヒップホップにどっぷりらしいですね。
山中 どっぷりですね。なので僕、最近のラッパーが正直あまりわかってなくて。全部一緒に聞こえるというか。
―ああ、その感覚はわかりますよ! 僕も同じです。
山中 多分、90年代のヒップホップの現場ではあまり起こらなかったモッシュみたいなものが、トラップをきっかけにどんどん増えてきたことでライブがもっと面白くなっていって、そういう部分にみんな熱狂してるんだろうなとはわかりつつ、それでも僕は90年代のヒップホップのほうが全然カッコいいといまだに思ってて。でも、メンタル面でカッコいいラッパーは今もいっぱいいると思うし、チャンス(・ザ・ラッパー)とかカニエ(・ウェスト)とかタイラー(ザ・クリエイター)なんて「どんだけ先を読んでんねやろ?」って思わされるから、そのあたりはちゃんと聴こうと思ってますけど、それ以外はデビューしたてのUKのラッパーばかり聴いてます。
―『SUCK MY WORLD』も、女性コーラスの雰囲気に90年代前後のR&Bを感じるんですよね。ほんのり懐かしい。
山中 それは意図してなかったけどすごくうれしいです。
―今の話を聞いてもまだ、なぜこんな音になったのかまだ完全には見えないですね。
あきら 今回は拓也がすごくわかりやすく1曲1曲のテーマを提示してくれたんですよ。「この曲はこういう雰囲気だから」ってほかのアーティストの音源を共有してもらったことで取り組みやすくなったのはありますね。
―山中さんはよくこんなアイデアが浮かびましたね。
山中 今からする話を気持ち悪いって言われたらそれで終わりなんですけど……去年、変なスピリチュアル体験をして、その話をメンバーと共有するところからこのアルバムは始まってるんですよ。
―なんですか、それは。
山中 僕、去年の夏フェスシーズンに泊まったホテルで初めて気絶というものをして、そのときに気持ち悪い夢みたいなものをみたんですよ。
―ほう。
山中 その夢のなかでは自分の体は存在してなくて、目の前にいるメンバーに何かを託している。そんな自分をさらに客観的に見ている自分がいるっていうのがメインの世界線として走ってて、その両側にはスロットのレールみたいに別の軸が流れてるんですよ。片方は過去の自分が走馬灯のように回ってて、もう片方にはこれから先に歩むであろう未来の自分が回ってる。それが時々<777>みたいに同じ画で揃うっていう変な夢で。目が覚めてから「何の夢やったんやろ?」って考えてみたらすぐにわかった。「これって、自分の人生のレールはすでに敷かれたものっていうことなのかも。てことは、この先も何がどうなるのか全部決まってるんだな」って。
―なるほど。
山中 これまでの人生、自分の意志で生きてきたつもりだったけどそうじゃなくて、「誰かに生かされてるんだ」ってそのときに思ったんです。人生って永遠に回り続けてて、たとえ死んだとしてもまた同じ人生を繰り返すんじゃないかって。人間から蛇口に生まれ変わるなんてことはないんですよ(笑)。
―うんうん(笑)。
山中 人間から人間に生まれ変わることは決まっていて、だからこそ出会うべく人と出会っていくし、でも毎回少しのズレみたいなものがあって、勇気をもって前に一歩踏み出すことで前世で残せなかった新しい何かを残せるようになる。人生ってそういうちょっとしたアップデートの繰り返しなんじゃないかって。
―面白いですね。
山中 人生にはレールを外れる怖さっていうのがあるけど、そこから敢えて外れることで何か大きなものを生み出すことができるから、そのためには自分の感情と常にちゃんと向き合っていかなあかんねやろうなっていうことを考え続けてたら、過去の偉人の人生にすごく興味が湧いてきて、それを辿っていこうとしたのがさっき話した過去を掘っていった理由のひとつなんです。
「イケてる」って言葉の軽薄さ
―ああ、話がつながりました。この話を聞いた3人はどう感じましたか。なかなかぶっ飛んだエピソードですが。
鈴木 「何を言ってるんだ」とは全然思わなくて、自分にはない感覚だったし、拓也はこれまでもそうやって何かを提示してきているから、次の目的地へ向けて走り出す準備ができてることがわかってうれしかったっていう感覚が大きかったですね。
―『SUCK MY WORLD』は山中さんの頭のなかにあるものを具現化していく作業でもあったんですね。
鈴木 そうなんですけど、具現化すべきものがより明確だったので、僕自身が何かをするというよりは、そこから学んで吸収したものを音に落とし込んでいく感じでした。
―最近は、「こうすればこうなる」みたいな方法論がいくつもありますけど、やっぱり音楽って理屈じゃないんですねぇ。
山中 すべてのもとにあるのは反骨精神だと思います。「こういう世界は嫌だな」「変えたいな」っていう意志とともにつくった気がします。俺は「イケてる」って言葉が嫌いで。すごく薄っぺらく感じるんですよね。東京で言う”イケてる”って、正直、そこまでイケてないと思うし、世間の流れとか流行りっていうのがすごく嫌い。オーラルはそことずっと戦ってきたバンドだとも思います。たくさんの人に認められることが”イケてる”ことではないと思うし、逆にたくさんの人たちに認められてるメジャーなバンドのことを”イケてない”感じで揶揄するのも違うじゃないですか。そういうのを見ているうちに日本のシーンに対するアンチ精神が強くなってきたんだと思います。でも、さっき言ったように、それは決してネガティブなものではなくて、「日本のバンドはもっとカッコよくなれる実力があるのにもったいないよ」っていう気持ちだし、そういう流れをもっと広められるバンドになれたらいいなと思ってます。
―今日の話から、自分たちが日本のシーンを引っ張っていくんだという意識をはっきり感じます。
山中 はい。今、その気持ちはめっちゃあります。次にどうやってオーラルを動かしていくかも考えてるし、絶対自分についてきてくれる、メンバーという最強の味方がいるから怖くないです。まあ、メンバーから批判され始めたら終わりだとは思うんですけど。もしそうなったら、「俺、もう奈良に帰るわ!」ってなりますね(笑)。
―あはは!
山中 でも、ほかにも力強い仲間がたくさんいるし、みんなと手を取り合って変えていきたいと思ってます。
―ここ何年か、堂々と先頭に立ってシーンを引っ張っていこうとするバンドってあまりいなかったと思うので頼もしいですね。自分たちならやれるという自信はありますか。
山中 あります。自分たちの強みってファンとの信頼関係がめちゃめちゃ強いところだと思うんです。オーラルはファンが爆発的に増えたわけじゃないし、いきなりドームでできるぐらい客層が広がったわけでもない。CDのセールスも少しずつ増やしながら、地べたを這いつくばってファンとの関係を強くしてきたので、彼らへの愛はどんどん強くなってきてる。バンドの規模がここまで大きくなった今、俺ら4人だけじゃなくて、スタッフもファンも込みで、オーラルはもっと大きいものを変えられるような気がしています。
<INFORMATION>
『SUCK MY WORLD』
THE ORAL CIGARETTES
A-Sketch
発売中
1. Introduction
2. Tonight the silence kills me with your fire
3. Fantasy
4. Dream In Drive
5. Maze
6. Dont you think
7. Hallelujah
8. Breathe
9. ワガママで誤魔化さないで ※TVアニメ「revisions リヴィジョンズ 」OPテーマ
10. Shine Holder
11. Naked
12. Color Tokyo
13. From Dusk Till Dawn
14. The Given
15. Slowly but surely I go on
■商品仕様
初回盤A:CD+DVD / ¥3,900(tax out)/ AZZS-104
初回盤B:CD+Blu-ray / ¥4,900(tax out)/ AZZS-105
※初回盤三方背特殊スリーブケース仕様/ジャケットコレクション
通常盤:CD / ¥3,000(tax out)/ AZCS-1090
■初回盤DVD/Blu-ray収録内容
「PARASITE DEJAVU ~2DAYS OPEN AIR SHOW~」DAY1 ONE MAN SHOW at 泉大津フェニックス(2019.9.14)
■初回プレス封入特典
BKW!!カード(SUCK MY WORLD ver.)
※全形態共通
COUPLING TOUR 「Tonight the silence kills me with your fire」振替公演
6月08日(月)広 島 BLUE LIVE 広島 w/GOOD ON THE REEL
6月09日(火)山 口 周南 RISING HALL w/GOOD ON THE REEL
6月11日(木)岐 阜 EVENTHALL club-G w/tricot
6月12日(金)静 岡 SOUND SHOWER ark w/tricot
7月16日(木)石 川 金沢 EIGHT HALL w/ラックライフ
7月17日(金)新 潟 新潟LOTS w/ラックライフ
7月21日(火)神奈川 川崎 CLUB CITTA w/Crossfaith
7月22日(水)群 馬 高崎 club FLEEZ w/Crossfaith
7月28日(火)福 岡 Zepp Fukuoka w/MY FIRST STORY
7月29日(水)鹿児島 CAPARVO HALL w/MY FIRST STORY
8月25日(火)宮 城 仙台GIGS w/ODD FOOT WORKS
8月26日(水)山 形 山形ミュージック昭和Session w/ODD FOOT WORKS
THE ORAL CIGARETTES JAPAN ARENA TOUR 2020
2020年5月30日(土)さいたまスーパーアリーナ
2020年5月31日(日)さいたまスーパーアリーナ
2020年6月20日(土)ポートメッセなごや3号館
2020年7月07日(火)大阪城ホール
2020年7月08日(水)大阪城ホール
チケット代:¥6,500(税込)
・状況により開催中止・延期となる場合もございます。最新情報はオフィシャルHPにてご確認ください。
https://theoralcigarettes.com/
THE ORAL CIGARETTES ✕ TSUTAYA SPECIAL WEB POP UP SHOP公式サイト
http://tsutaya.jp/theoralcigarettes/
※こちらの商品は5月中旬のお届けを予定しております。お届け日が決まりましたら、メールにてお知らせいたします。
※数量限定販売となります。予めご了承のほどよろしくお願いします。
※「THE ORAL CARE トラベルセット」以外の商品は、今後のライブ会場グッズ販売やTHE ORAL CIGARETTES OFFICIAL SHOP(公式サイト通販)でも取り扱いの可能性がございます。
※価格/詳細に関しては、TSUTAYAオンラインショッピング商品ページをご確認ください→ https://tsutaya.tsite.jp/feature/music/toc/index
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