サラリーマンをやめて起業――、誰しも一度は考える夢だが、海外での企業となると幾分ハードルが高そうだ。ただし、台湾となると事情が異なり、起業しやすい部分もあり、日本での起業に比べメリットがあるという。
1つ目は、様々な企業と仕事をする機会が増える、という点。海外では、日本では出会えないような大企業で働く人々と出会うチャンスが多い、という。佐藤氏はまだ起業4年目のようだが、すでにいろいろなクライアントと知り合うことができており、「海外で起業した日本人という少数派の立場を活かして、日本では出会えないような企業の担当者とも知り合えている」と述べている。
もうひとつのメリットは、コストを大幅に削減できる、というもの。台湾のコストは、日本よりも安く、オフィスや、生活費、人件費なども日本に比べるとかなり安く、起業の負担も少ない。実際、起業してすぐはなかなか採算がとれないものだが、それも生活費の安い台湾なら、負担も少ない。
さらに、台北の交通事情もメリットの一つ。台北市内はバスや地下鉄などもあり、交通の便も良く生活しやすい。しかも町全体がコンパクトなので、どこに行くのも台北市内ならせいぜい40~50分で行けるため非常に便利だ。展示会の出席、会食や会議なども気軽に計画できる。
ただし、これらのメリットも、良いビジネスパートナーに出会えなければ話にならない。実際、現地のビジネスパートナーとうまくいかず、大損してしまった話も数多くある。台湾で起業するなら、まずは信頼できるビジネスパートナーを探すことが大切、と述べている。
現在の状況下でも、台湾は半導体産業が好調で経済的にも勢いがある。今後、日本を脱出して台湾で起業を考える人も多くなるかもしれない。(編集担当:時田瑞樹)(イメージ写真提供:123RF)