日本が半導体強国と呼ばれたのは過去の話となり、今では台湾や韓国などに取って代わられている。中国メディアの騰訊は18日、「日本は自国の半導体産業を盛り返そうとしている」と題する記事を掲載した。
政府の後押しで挽回を狙っていると指摘している。

 日本が半導体で圧倒的な勢いを持っていたのは1980年代の頃の話だ。世界シェアの約半分を日本が握っていた過去に比べると、現在のシェアは10%ほどまで低下しており、日本の存在感は小さくなっているのは事実だが、挽回を狙っているというのはどういうことだろうか。

 記事は、日本には半導体世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)などと提携して「ラストチャンスをつかむ」構想があると紹介した。また、海外企業を日本に呼び込み生産拠点を作る考えもあるという。

 しかし、実現の可能性は低いと記事は主張している。まずは「日本にとってのライバルには政府からの巨額の資本提供がある」ためで、日本政府にはそこまでの支援は見込めないと伝えた。競争で有利に立てる「回路線幅の細さ」1つとっても、より細くするためには巨額の投資が必要で、日本企業は不利だという。また米中貿易摩擦のために「身動きしにくい」事情や、「内需の不足」という最大の難関もあるとした。

 とはいえ、日本にはいくつか強みもあるという。ウエハーに回路を書き込む「前工程」技術、チップを切り出して製品化する「後工程」の技術、そして「半導体材料」でも日本には強みがある。いわゆる「黒子」の技術で日本には優位性があるとした。


 記事は、日本が狙っている「ラストチャンス」について、成功の可能性は非常に低いとしながらも、ライバルとしての日本を強く意識しているようだ。やはり、匠の技術を持つ日本を軽く見ることはできないのだろう。今回のチャレンジは、政府がどれだけ本腰を入れるかに大きく左右されると言えそうだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
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