ここのところ台湾海峡をめぐる緊張が高まっている。中国側は台湾について「一つの中国」という原則を強調しているが、米国の議員団がこのほど軍用機で台湾を訪問したことなどを受け、中国では反発の声があがった。


 中国メディアの百家号はこのほど、「中国人の多くは台湾を解放しなければならない」と声高に叫ぶが、「実は台湾のことをあまり知らないのが現実」であると主張する記事を掲載した。

 記事の中国人筆者は「自分が幼少のころ、中国人は『台湾を解放しなければならない』と口にしていたが、中国人は現代においても同じことを叫んでいる」と主張する一方、多くの中国人は台湾に対する理解が乏しいのが現実であると主張した。

 続けて、近代からの台湾の歴史について触れ、台湾は17世紀にスペインとオランダによって統治されていた時代があると紹介。だが、鄭成功による台湾制圧によってスペインとオランダによる統治は数十年で終わったと紹介する一方、鄭成功による鄭氏政権も清王朝によって倒されたと紹介した。そして、台湾は日清戦争に勝った日本に割譲されることになったとし、ここから日本統治の時代を迎えたと論じた。

 続けて記事は、「日本はもともと古代中国から多くを学んだ国だった」と指摘する一方、1840年ごろを境に両国の立場は大きく変化したと指摘、清王朝はアヘン戦争で大きく衰退する一方、日本は黒船襲来をきっかけに明治維新を成し遂げ、西洋に学びながら国力を大きく伸ばしたと強調。そして日清戦争で台湾は日本領になったとする一方、日本は台湾に小学校を建てて無料の教育を提供したり、アヘンや纏足、弁髪などを禁じたりしたと伝え、「客観的に言って、台湾は清の統治時代より日本統治時代の方が進歩が大きかった」とした。

 そして、終戦後から現代までの台湾の歴史を伝えたうえで、中国人は「台湾を解放しなければならない」と口にするが、多くの中国人にとって台湾は神秘のベールに包まれているかのように、理解が進んでいないのが現状だと伝えている。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
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