中国の海関総署(税関)は1日、台湾企業180社以上からの食品の輸入を禁止すると突然発表した。これら企業が関連規定に違反したため、輸入の緊急停止を決めたと説明している。
台湾当局はこれを受け、経済的損失を早急に評価し、対策を検討する方針とした。香港経済日報が2日、台湾メディアの報道を引用する形で伝えた。
 報道によると、対象となった台湾企業には、泰山、愛之味、味全、東郷、維力、光泉、維格、奇美、新和興、統清、家会香、旧振南、義美、馬玉山、成偉など著名な食品企業がほぼ全て含まれた。関連する食品は3000品目に及ぶとの推計もある。
 ペロシ米下院議長が2日夜にも台湾を訪問する見込みと報じられる中、市場では今回の輸入停止措置について、中国側のけん制措置と受け止める向きが多い。ただ、台湾メディアの聯合報によると、一部の業界関係者は中国の措置について、ペロシ議長の訪台とは直接の関係はなく、台湾の食品産業、農業、水産業に対する新たな攻撃だと指摘しているという。
 なお、台湾財政部によると、台湾は2021年に中国本土、香港向けに17億米ドル(約2220億円)超の食品を輸出した。中国は昨年以降、台湾産パイナップルのほか、特産果実の釈迦頭、高級魚のハタの輸入を停止している。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)
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