中国での“女装熱”は、日本のアニメやドラマなどをきっかけに、台湾経由で「上陸」したと見られる。しかし、“本格的”に注目が集まったのは、中国で人気のボーカリストオーディション番組『快楽男声』に登場した、劉著さんがきっかけだ。
劉さんは、オーディションの審査員からも疑われるほどの美ぼうと歌声で、人気、注目度ともに急上昇。オーディションでは予選敗退を喫したが、中国の検索サイトでは今なお、「女装する男性」を意味する「偽娘」でニュース検索をかけると、劉さんの話題が上位に来るなど、人気の高さを示す。
このほか、中国の各種ポータルサイトでは、有名男性芸能人らが披露する「女装姿」や、中国の有名女優をイメージした化粧を施す男性の写真など、数々の「女装画像」がサイトを飾る現象まで起きており、一部では、日本の「ニューハーフ」タレントとしておなじみの、はるな愛さんの生い立ちや活動履歴などを紹介した「“偽娘”ははるな愛に学べ!」なるブログまで登場し、日本における“ニューハーフ道”の奥深さを伝えている。
一方、空前の「偽娘」現象に対して、「商業的に作り出された存在」、「日本のアニメなどの悪影響」、「性教育の現状の深刻さを示す」など、懸念を示す論調も多く、ブーム化に一石を投じている。しかし、「偽娘」の陰に隠れた「性同一性障害」の存在に触れる記述は少なく、中国での今後の認知向上が気になるところだ。
とはいえ、中国における「偽娘」の登場は、文化の多様性に対する、現代中国が見せる寛容さの一端と言えなくもない。「彼女」らの今後の活躍に注目が集まる。(編集担当:金田知子)
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