中国メディアの北京晩報などによると、北京市出境検験検疫局(北京市出入国検査検疫局)はこのほど、旅行者が海外から持ち込めない物品があるとして、注意を促した。

 中国では春節(旧正月、2015年は2月19日)を中心とする1週間が連休となる。
本来は帰省して親族とともに年を越すためだったが、現在は海外旅行する人も増加中だ。北京市出入国検査検疫局は海外旅行の繁忙期前に、「中国に持ち帰れない物品」について注意を促した。

 国別に「トラブルを起こしやすい物品」を挙げた。冒頭で紹介したのは、日本旅行で問題になりがちな品だ。まずは海産物の持ち帰りが不可とした。代表例として「イワシ、マグロ類、カニ、カキ、サンマ」などを挙げた。

 次に挙げたのは「神戸牛肉」だ。「神戸牛肉など動物の肉と加工品(内蔵を含む)は、国外からの持ち込みが禁止されている」と説明した。

 最後に「日本の盆栽」も持ち込めないと説明。「日本は生け花芸術が盛んな国であり、東京では多くの美しい盆栽を見ることができる。しかしわが国の法律は、種や苗木、その他の繁殖能力のある植物の国外からの持ち込みを禁止している」と説明した。

 記事はさらに、「日本には持ち帰ることの可能な、特産の記念品がたくさんあります」と紹介。
例として「江戸簾(えどすだれ)、江戸甲冑、多摩織(たまおり)、明治チョコレート」を挙げ、「旅行の際には安心して買ってください」とつけ加えた。

 北京市出入国検査検疫局は、中国に持ち帰れない日本以外の国の特産品として、ブラジルの「昆虫類を含む動物標本」、「皮つきのコーヒー生豆」、「アガリクスなどのキノコ類」、カナダの水産物や西洋人参、タイのツバメの巣などを挙げた。(編集担当:如月隼人)

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◆解説◆
 中国では日本の海産物に対する評価が高い。1980年年代からは大都市を始めとして日本料理店が出現し、中国人が刺身を食べる機会も増えた。中華料理店が前菜として刺身を供する場合もある。

 日本産牛肉についての評価も高い。日本の畜産家が丹精込めて牛を育てている様子が紹介される場合もある。中でも、特に有名なのが「神戸牛」だ。

 中国にも「盆栽」と同様の鉢植えがあるが(盆景)、日本の盆栽に対する評価は極めて高い。日本の盆栽は4世紀ごろに、現在の南京市で流行していた「盆景」の流派が日本に伝わったもので、中国では同流派は絶えたが、日本では発達していったなどと紹介されている。

 江戸簾は東京都台東区で生産されている伝統工芸品。江戸甲冑の生産地は東京都墨田区、台東区、文京区など。
多摩織は八王子市で生産されている。江戸甲冑と多摩織は東京都の伝統工芸品認定を受けている。(編集担当:如月隼人)


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