【包み焼きハンバーグ&ビーフカレー】きっと一般常識なんだろう...の画像はこちら >>
ある日、あるとき、ある場所で食べた食事が、その日の気分や体調にあまりにもぴたりとハマることが、ごくまれにある。

それは、飲み食いが好きな僕にとって大げさでなく無上の喜びだし、ベストな選択ができたことに対し、「自分って天才?」と、心密かに脳内でガッツポーズをとってしまう瞬間でもある。

そんな"ハマりメシ"を求め、今日もメシを食い、酒を飲むのです。

* * *

先日家族で、車でちょっとしたした遠出をする機会があった。昼どきに街道沿いを走っていたので、どこか入りやすそうな店を見つけたら昼食にしようということになる。ちなみに娘の希望は、ハンバーグ。

ところがちょうどいい店がなかなか見つからない。小一時間が経過し、家族全員、そろそろお腹が空きすぎて無口になってきたところで、前方に見えたのが、ファミリーレストランの「ココス」。そのランチ体験こそが、近年まれに見る"ハマりメシ"だった。

正直、お手頃価格のファミレスということで、甘くみていたことは否めない。頼んだ料理をひと口たべた瞬間、ココスって、こんなにすごいの! と驚かされた。そもそも記憶にある限り、僕は人生でそれまで2回しかココスに行ったことがなく、しかも両方とも、朝食バイキングでの利用だった。おのずと料理は作り置きがメインになる。ココスにしてみれば「まずは一度、できたての自慢の洋食を食べてみてよ!」という気持ちだろう(ちなみに和食メニューもある)。

とにかく、僕はその日初めて、ココスの真髄を味わったというわけだ。

妻は名物の包み焼きハンバーグ、娘もお子さま用の包み焼きハンバーグセットを選び、美味しいと食べている。僕ももちろんハンバーグの気分だったが、同時に無性にカレーライスも食べたい気分だった。そこでメニューをすみずみまで眺めると、税込330円の「追加ビーフカレー」なる品を発見。お、こいつを使おう。となると合わせやすそうなのは、ハンバーグとライスがひと皿に盛り付けられた「ココスのきのこハンバーグプレート」(1,089円)だな。

【包み焼きハンバーグ&ビーフカレー】きっと一般常識なんだろうけど今さら知った。「ココス」ってこんなにすごい店だったんだ!:パリッコ『今週のハマりめし』第238回
「ココスのきのこハンバーグプレート」

「ココスのきのこハンバーグプレート」

色鮮やかなターメリックライスとたっぷりのゆでほうれん草の上にハンバーグ、デミグラスソースに生クリーム、さらにソテーされたしめじがのっている。当然うまい。うまいに決まっている。表面はこんがりと焼け、ものすごくジューシーで柔らかいハンバーグとごはんが、圧倒的に合う。しかし僕はそこへさらに、カレーまでかけてしまった。それらが混ざり合えば、ハンバーグほうれん草デミグラスカレー。
あまりにうまくて、なんだかふいに泣いてしまいそうになるほどだった。やっとたどり着けた店というシチュエーションも、その感情を後押ししていたのだろう。

【包み焼きハンバーグ&ビーフカレー】きっと一般常識なんだろうけど今さら知った。「ココス」ってこんなにすごい店だったんだ!:パリッコ『今週のハマりめし』第238回
ハンバーグほうれん草デミグラスカレー

ハンバーグほうれん草デミグラスカレー

その日は夢中すぎて、いつものようにきちんとした記録もせず、残っている写真はスマホで雑に撮った2枚のみ。また、ドリンクバーに数種あったフルーツフレーバーの炭酸飲料も非常に良かったものの、運転さえなければアルコールを合わせてみたかった。あの感激を、もう一度確認したい。こんどはランチワインと合わせて。

数日後、こんどは単身、家から最寄りのココスを訪れた。

【包み焼きハンバーグ&ビーフカレー】きっと一般常識なんだろうけど今さら知った。「ココス」ってこんなにすごい店だったんだ!:パリッコ『今週のハマりめし』第238回
急によく来るようになったココス

急によく来るようになったココス

頼む料理は今回も同じ、と思っていたがランチメニューを見て気が変わる。ココスいちばんの名物である「濃厚ビーフシチューの包み焼きハンバーグ」が、ランチだとびっくりするくらいお得な設定なのだ。

通常はハンバーグ単品で、145gなら1,199円、110gなら979円。そこに多くの人がプラスするであろう、ライスとスープバーのセットは374円、石窯パンとスープバーのセットは396円。ドリンクバーなどをつければさらに値段は上がる。

ところがランチだと単品の値段で、大盛りまで無料のライス、もしくは石窯パンと、スープバーがついてくる。しかも、頼もうと思っていたきのこハンバーグプレートよりも安い。ここは一度、王道の包み焼きを味わっておこうと方針を転換。

というわけで注文は「濃厚ビーフシチューの包み焼きハンバーグ 110g ランチ」、「追加ビーフカレー」、そして「グラスワイン 白(100ml)」(242円)で。

【包み焼きハンバーグ&ビーフカレー】きっと一般常識なんだろうけど今さら知った。「ココス」ってこんなにすごい店だったんだ!:パリッコ『今週のハマりめし』第238回
だいぶお得だと思う

だいぶお得だと思う

【包み焼きハンバーグ&ビーフカレー】きっと一般常識なんだろうけど今さら知った。「ココス」ってこんなにすごい店だったんだ!:パリッコ『今週のハマりめし』第238回
「グラスワイン 白」

「グラスワイン 白」

日替わりのスープバーには「ブイヤベース風スープ」と「トマトスープ」の2種類があってて、まずはブイヤベースをとってきてワインとともに始める。具に魚介類が入っているわけではないものの風味はしっかりとあり、玉ねぎがたっぷりで満足感がある。よく冷えた白ワインと合わせれば、最高に優雅な気分。

しばし待っていると、注文が入ってから専用のホイルで包み、オーブンで焼くというハンバーグも到着。

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人生初の包み焼きハンバーグ

人生初の包み焼きハンバーグ

パンパンに膨らんだ頂点に注意深くナイフを入れると熱々の湯気が噴き出し、その奥からハンバーグが姿を現す。その工程も含めてテンションが上がるのは、包み焼きの醍醐味だろう。

【包み焼きハンバーグ&ビーフカレー】きっと一般常識なんだろうけど今さら知った。「ココス」ってこんなにすごい店だったんだ!:パリッコ『今週のハマりめし』第238回
ご対面

ご対面

ハンバーグ、110gにしたけどじゅうぶんな大きさがある。加えて驚くのはその上にごろっとのっている、ビーフシチューの具材であるでっかい牛肉の存在感だ。
横に添えられている丸々1個のじゃがいもも、かなりでかい。

【包み焼きハンバーグ&ビーフカレー】きっと一般常識なんだろうけど今さら知った。「ココス」ってこんなにすごい店だったんだ!:パリッコ『今週のハマりめし』第238回
ではいただきます

ではいただきます

ライスとカレーも到着し、こんどはトマトスープをよそってきて、準備完了。いただきます!

【包み焼きハンバーグ&ビーフカレー】きっと一般常識なんだろうけど今さら知った。「ココス」ってこんなにすごい店だったんだ!:パリッコ『今週のハマりめし』第238回
まずはハンバーグから

まずはハンバーグから

ハンバーグ、やっぱりすごいクオリティだな......。前回食べたプレートは表面がぱりっと焼けたタイプだったが、今回の包み焼きにはその香ばしさはない。けれどもそのぶん、究極にふわふわでジューシーな食感が肉の旨味を際立たせる。とろりと濃厚なビーフシチューソースとも相性抜群。僕には言われなければ気がつけないと思うけど、隠し味であるというマデラワインがこの深みのポイントに違いない。白米と合わせてほおばる至福!

【包み焼きハンバーグ&ビーフカレー】きっと一般常識なんだろうけど今さら知った。「ココス」ってこんなにすごい店だったんだ!:パリッコ『今週のハマりめし』第238回
牛肉もすごい

牛肉もすごい

ハンバーグと同様、いや、油断していたからそれ以上に驚いたのが、ビーフシチューの牛肉。ナイフが触れただけでほろりと崩れる柔らかさで、これもごはんと合わせるとうっとりする。あらためて、なんてすごいんだ、ココス。

当然、現時点でぜんぜん成立しているセットだから、このまま食べきっても相当な満足度だろう。が、僕の手元には今、ビーフカレーまであるのだ。

ハンバーグを半分、ごはんを半分食べたあたりで、それらを融合させる。

【包み焼きハンバーグ&ビーフカレー】きっと一般常識なんだろうけど今さら知った。「ココス」ってこんなにすごい店だったんだ!:パリッコ『今週のハマりめし』第238回
勝手に作ったハンバーグカレー

勝手に作ったハンバーグカレー

【包み焼きハンバーグ&ビーフカレー】きっと一般常識なんだろうけど今さら知った。「ココス」ってこんなにすごい店だったんだ!:パリッコ『今週のハマりめし』第238回
カレーにも肉がごろごろ

カレーにも肉がごろごろ

なんと、このたった300円程度のカレーにも、とろける牛肉がごろごろと入っている。カルダモンの香りが爽やかに香る、スパイス感のしっかりしたカレーで、ふわりとしたハンバーグとのハーモニーが幸せすぎる。

僕はこれまでに何度も、「いちばん好きな料理はカツカレー」と公言してきた人間だ。けれども御多分に洩れず、カツカレーは歳を重ねるごとに重くなってくる。大好きな気持ちは変わらないが、ちょうど良さという点において、今の僕が最も満足度を感じられる料理って、もしかしたらハンバーグカレーなのかもしれない。ココスに、そんなことを気づかせてもらった。

【包み焼きハンバーグ&ビーフカレー】きっと一般常識なんだろうけど今さら知った。「ココス」ってこんなにすごい店だったんだ!:パリッコ『今週のハマりめし』第238回
とどめのじゃがいも

とどめのじゃがいも

カレーを加えてしまったことで加速し、あっという間にライスを食べきってしまった。通常ならば米とともに味わいつくすべき、ホイルに残ったビーフシチューはどうするか? 心配ない。僕にはまだ、丸々のじゃがいもがあるのだ。シチューの海にどんと浮かべてしまおう。

じゃがいもはガーリックバター風味で、もう何も言うことがないくらいうまい。

というか、多くの人が頼むであろう看板ハンバーグの横に、こんなに巨大なじゃがいもを丸々1個つけてしまうって、ココス、ちょっと覚悟が決まりすぎてないだろうか? 食感がほくほくを通り越してもはやクリーム状なことにも驚いたが(1回の食事で何度驚くんだ)、じっくりと蒸しあげてあるからだろう。ビーフシチューによく絡めながら食べきって、大満足。

今回でさらに確信したが、ココスはやっぱり幸せ度が高すぎる店だ。他のレストランで食べたら、倍の値段がしてもなんの不満もない。ふだんは個人経営の小さな店ばかりに好んでいく自分だが、大手企業、チェーン店の力というのは偉大であると、深く感謝した。

取材・文・撮影/パリッコ

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