©佐藤二朗 永田諒/ヒーローズ ©2026 映画「名無し」製作委員会
通り魔的な無差別大量殺人がファミレスで発生する。
だが監視カメラの映像には、あたかも透明な武器を振り回しているかのような犯人の姿しか映っていなかった。
現場にいた人の目にも、凶器は見えていない。
この「透明な凶器による殺人」というのは「透明人間」テーマの亜種と見なすことができるが、「かまいたち」のように、目に見えない何かが服や肉体を切り裂き、血が噴き出すビジュアルは面白い。
この「透明な凶器」は刃物だけでなく、透明なバットや透明な拳銃も登場するのだが、欲を言えば透明な何かに殴られた人体がどんどん凹んでいくようなビジュアル・ショックがもっと観たかった。
やがて、触ったものが不可視になる(だけではないが)、というこの犯人の「能力」が、望まずして生来備わってしまった一種の「呪い」であることが判明する。
そこにはさまざまな意味やメタファーを投影する余地がある。
引っかかるのは本作がこの「呪い」を、非常に曖昧な、しかしキリスト教的な「神」の概念と関連づけようとしているところだ。
非常に重要な場面で流れるキリスト教の聖歌を聞きながら、一体これを耳にして何を思えば良いのか、ほとほと困惑させられてしまった。
STORY:昼下がりのファミレスで無差別殺人が発生。男が接触しただけで人々が次々と出血し倒れていく不可解な光景が防犯カメラに残る。捜査の末、容疑者が過去に万引きで調書を取られた男と同一人物であることがわかる
原作・脚本・主演:佐藤二朗
上映時間:82分
全国公開中
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