3歳「牝馬三冠」レースの第2戦、GⅠオークス(東京・芝2400m)が5月24日に行なわれる。

 この時期の3歳牝馬にとっては、大半の馬が初めて挑む2400m戦。

その分、予想のうえでは難解を極めるが、過去10年の結果を振り返ってみると、1番人気が6勝。信頼度の高い成績を残している。

 ただその一方で、クラシック初戦のGⅠ桜花賞(阪神・芝1600m)を勝利して1番人気に推されながら、苦杯をなめた馬も3頭いる。そうしたこともあってか、今年の桜花賞(4月12日)を制して1番人気が予想されるスターアニス(牝3歳)に対して、疑問の目を向ける者も少なくない。研究ニュースの藤田浩貴記者もそのひとりだ。

「今年も一冠目の桜花賞で強い競馬を見せたスターアニスが1番人気と目されていますが、同馬はオークスに向けて血統面から距離不安を抱えています。それは昨年、桜花賞を勝って1番人気に推されたエンブロイダリーと似ています。実際、エンブロイダリーは9着と惨敗。そういう意味では、今年もスターアニスにはそこまでの信頼が置けず、伏兵の出番も大いにあると見ています」

 先にも触れたとおり、オークスでは確かに1番人気が安定した成績を残している。だが、やはり未知なる距離での戦いとあって、人気薄の台頭も目立っている。それも、2019年に12番人気で2着に入ったカレンブーケドールをはじめ、2020年3着のウインマイティー(13番人気)、2021年3着のハギノピリナ(16番人気)、2022年2着のスタニングローズ(10番人気)、2023年3着のドゥーラ(15番人気)、昨年3着のタガノアビー(10番人気)など、ふた桁人気の馬が何度となく好配当を演出しているのだ。

 となれば、藤田記者が言う「伏兵の出番」を大いに期待したくなるが、どんなタイプが狙い目となるのか。

藤田記者は現在の東京競馬場の馬場状態などを鑑みて、こんな見解を示す。

「今の東京は異様に時計が速く、少々の雨ではその傾向が変わらないと思います。そうなると、終(しま)い一辺倒ではなく、基本的なスタミナの有無はもちろんのこと、ある程度の先行力やスピードの持続力を兼ね備えていることが重要。穴馬候補を挙げるなら、そういうタイプをピックアップしたいですね」

 そうして、藤田記者は2頭の名前を挙げた。1頭目は、トリニティ(牝3歳)だ。

「母はオークス馬のヌーヴォレコルトと、この舞台を戦ううえで筋の通った血統の持ち主です。昨年末にデビューしてキャリアはわずか3戦ですが、一戦ごとに馬体重を増やしながらGⅠへ駒を進めてきました。

 距離を延ばした前走の1勝クラス・矢車賞(5月2日/京都・芝2200m)では、好スタートから2番手につけて向正面で早め先頭に立つと、そのまま後続を完封。キレ味には欠けるものの、母譲りの自在に立ち回れるレースセンスのよさを感じさせました。

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 さらに今回、鞍上を務めるのは西村淳也騎手。若手のなかでは抜けた存在で、現在全国リーディング5位(5月22日時点)と年間100勝を超すペースで勝ち星を量産しています。とにかくゲートがうまく、積極的な競馬が持ち味。
今回はテン乗りになりますが、いかにも手が合いそうなコンビです。

 今年のオークスは、強力な先行馬が手薄なメンバー構成。それだけに、すんなり行ったときには怖い存在になるのではないでしょうか」

 藤田記者が注目するもう1頭は、アメティスタ(牝3歳)だ。

「ここまで4戦2勝、2着1回、4着1回。勝利を挙げたレースでも派手な勝ち方は見せていませんが、これまで一度も大崩れがなく、レース巧者と見ています。

 前走のGⅢフラワーC(3月21日/中山・芝1800m)では、前の馬のあおりを受けて4コーナーで外に膨れる不利がありました。跳びが大きくてトップスピードに乗るのに時間がかかるタイプゆえ、あれは痛恨でした。結果、コンマ1秒差の4着。もしスムーズに加速できていれば、もっと際どい勝負になっていたはずです。

 血統的に距離延長にも問題はなく、今回騎乗する横山武史騎手も2走前の1勝クラス・菜の花賞(1月17日/中山・芝1600m)で手綱をとって快勝。その際、「ペースが落ちついたのでマイルでもこなせましたが、本来はもう少し長いところがいいと思います」とコメントしていました。

 ここ2戦、関東への輸送で体を減らして、再び関東でのレースになるのは気になりますが、この中間も調教を手控えるようなことはなく、順調に乗り込めているのは好材料。

大きく馬体重を減らすことがなければ、そこまで影響が及ぶことはないでしょう。馬込みも苦にしない精神力を保持し、多頭数の競馬がアドバンテージに働くことも考えられ、大駆けへの期待は膨らみます」

 強力な末脚を武器とする有力馬が集った今年のオークス。それらが中団から後ろで牽制し合う形になれば、前を行く伏兵の粘り込みがあってもおかしくない。その大仕事をやってのけるのが、トリニティとアメティスタである可能性は十分にある。

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