ある日、あるとき、ある場所で食べた食事が、その日の気分や体調にあまりにもぴたりとハマることが、ごくまれにある。
それは、飲み食いが好きな僕にとって大げさでなく無上の喜びだし、ベストな選択ができたことに対し、「自分って天才?」と、心密かに脳内でガッツポーズをとってしまう瞬間でもある。
そんな"ハマりメシ"を求め、今日もメシを食い、酒を飲むのです。
* * *
ここ数日、明らかに睡眠時間が足りていない。
詳細はいずれ発表させてもらえると思うが、今度出る予定の新刊の単行本作業が、いつもの仕事の上に大きくのしかかっていたためだ。もちろん担当の編集者さんは有能で、あらかじめ余裕のあるスケジュールを僕に提示してくれていた。なのでこの状況は、すべて僕の、締め切りがギリギリに近づくまでだらだら重い腰を上げない、生まれ持ってのなまけ体質によるものだと自覚、反省している。
40代も後半になり実感するのは、健康にとって最も重要なのは、なにをさておいても睡眠だということ。にも関わらず、仕事は朝がいちばんはかどるタイプの自分は、起床時間が5時になり、4時になり、3時になり。そこから夜にばちんと燃料切れになるまで、なかば朦朧としながら原稿と向き合っていた。
その山場と言える、書き下ろし、および全文の修正作業が終わったのが今朝だった。すさまじく疲労感があるが、それ以上に解放感がある。明けない夜はないし、終わらない仕事はないのだ(いや、たまにあるか)。
朝、娘を学校へ送り出し、久しぶりにつかの間の、少しだけ落ち着いた時間がやってきた。
と、訪れたファミリーマートの店内をくまなく見て回り、目が合ったのが冷凍食品コーナー、ファミマルKITCHEN「元祖スタミナ満点らーめん すず鬼監修 スタ満まぜそば」(税込321円)だった。
「元祖スタミナ満点らーめん すず鬼監修 スタ満まぜそば」
監修は、三鷹にあるラーメン店「元祖スタミナ満点らーめん すず鬼」。僕はまだ行ったことがないが、コンビニなどでプロデュース商品を目にすることがよくあるので、かなりの人気店と思われる。今調べてみたところ、角煮風のごろごろとした豚肉とにんにくがたっぷりのってかなりパワフルな見た目の「スタ満そば」なるもの看板メニューらしく、それはもはや、ラーメン界の新しいジャンルになっているそうだ。こんど行ってみよう。
僕の買ったこのまぜそばのパッケージにも「ガツンとニンニク」「アブラ」「鬼ジャンク」といった、まさに鬼ジャンクなワードが踊っており、その訴求力にあらがうことができなかった。今日の気分にぴったりな気がする。
他にもいろいろ買ってきた
荒々しい気分にまかせ、他にもあれこれ買ってきてしまった。
まずはトッピングに良さそうな、冷凍の「このまま使えるきざみねぎ」(108円)、「温泉たまご」(114円)、「ごま油で炒めたやわらか穂先メンマ」(178円)。
それから、いったん生活にしおりを挟むため、酒も一杯飲みたい。実は最近ハマっている缶チューハイがあって、それがサントリー「-196無糖クリア レモン&ライム」(239円)。こいつはなんだか妙にうまいばかりか、ファミリーマートで2本買うと、「ちょいデリ」シリーズというおつまみの100円割引券がもらえるのだ。最近たまりがちなその券を使って「冷たいまま食べるタルタルチキン南蛮」(320円)も買う。
では、これらで始めていこう。
調理はレンチンのみ
まぜそばは、内袋に入った凍った状態の麺と具を600wなら5分半レンチンするだけ。温めている最中から、主ににんにくを中心とした食欲をそそる香りがキッチンに充満しだす。完了したら好みの皿へ。
解凍完了
商品としてはこれで完成。ワシワシ系というんだろうか、かなり太めで角の立ったちぢれ麺が、たれの色をまとって(?)茶色に染まっている。レンチン前はもっと白っぽく見えたし、解凍後に全体をよく混ぜたりもしていないんだけど、これはどういうカラクリだろうか。1人前340gだけあって量もたっぷり。角切りの豚肉とニラも、多くはないがきちんと入っている。
試しに麺を1本味見してみると、それだけでも食べごたえを感じるぶりんぶりんの麺がまるでゆでたてのようで、かなりうまい。すごいな、最近の冷凍技術。
そうしたらここへ、メンマとねぎをどさどさとトッピング。パッケージにはマヨネーズをプラスして食べるのもおすすめとあった。ならばタルタルソースが合わないはずがないだろう。チキン南蛮もトッピングしちゃえ!
暴力的な見た目になった
さらに頂点に温泉玉子を落とし、仕上げに付属のガーリックオニオンパウダーと黒コショウを容赦なくかければ完成。スタ満まぜそばオリジナルカスタム!
ちょっとやりすぎたか
缶チューハイをぷしゅりと開けて氷入りのグラスに注ぎ、ひと口。
まずは麺から
まずは麺からずばばっといく。さっきの味見でうまいことはわかっていたものの、仕上げのパウダーでパンチが増しており、それを数本同時にすすると、快感は何倍も大きい。醤油系のたれが全体によく絡み、にんにくががつーんと香り、アブラのコクにうっとりし、玉ねぎ由来だという甘さも心地よく、それらをまとったぷりぷり麺をひと噛みするごとに、幸福感ゲージが上昇してゆく。
とろりと柔らかい豚肉もしっかりうまく、メンマ、ねぎの追加も大成功で食べすすめるほどに食欲が加速がする。チキン南蛮は、まぁ、すごくこの麺と合うというほどではないけれど、そもそも自分が勝手にやったことだし、リズムを作るおかずとしては素晴らしくうまい。甘ったるくなく、それでいてふんだんに柑橘の香るチューハイがぐいぐい進んで、箸もグラスも止まらなくなってきたぞ。
後半戦
無我夢中で食べていたら、自分のタイミングで割ろうと思っていた温泉玉子の黄身がいつのまにか割れてしまっていたようだ。どうりで味にまろやかさが加わった気がしていた。ならばと、後半は全体をあえて混ぜるように食べすすめる。荒々しさから優しさへのグラデーション。
レンジで麺が温まりはじめたあたりから、自分の状況も合わせてちょっとテンションが上がり過ぎてしまったが、冷静にふり返って、素の状態ならば300円ちょっとでこのまぜそばが食べられるのは、かなりすごいことなんじゃないだろうか。
今回はやりすぎてしまった感があるけれど(だってチキン南蛮もほぼ同じ値段だし)、基本はトッピングなしでじゅうぶん満足できると思う。それがさらに冷凍ストックできて、最後にもう一点驚くべきことには、この商品、トータルで535kcalと意外にもヘルシーなのだ。数量限定商品らしいので、今のうちにいくつか買っておこうかな。
と、なんだか全体的にファミマの回し者のような内容になってしまいましたが、誓って僕が勝手に、すべて自腹で食べてます。
取材・文・撮影/パリッコ
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