◆JERA セ・リーグ 巨人1―2阪神(20日・東京ドーム)
巨人が惜敗し、史上初めて前半戦でシーズン阪神戦負け越しが決まった。1点を追う2、3回で計5四死球と好機をもらいながら無得点。
近そうで、やはり遠い1点差の敗戦だった。9回は3者凡退で終了し、4連敗で3位転落。試合後は左翼席に陣取る虎党の「頑張れ頑張れジャイアンツ」の声援が鳴り響いた。阪神戦は今季4勝13敗、球団史上初めて同カードの球宴前の負け越しが決定した。他のカードを含めても84年の中日戦以来2度目。阿部監督は「もうそれ(勝って返していく)しかできないんでね。勝ち越しが決まったからって何も問題はないと思うんですけれども。一つ一つ勝つだけなんで」と前を見た。
自力優勝の可能性消滅から一夜明け。指揮官は早い段階で手を打った。0―2の4回1死一、二塁。2失点の赤星に代打・岸田を投入。四球でつなぎ、丸の適時打で1点を返した。2番・佐々木にも代打・オコエを送ったが二飛。「向こうの投手もあまり良くないってことで勝負を早く仕掛けてきたんでね。こっちも負けじと勝負をかけたんだけど」。阪神も先発デュプランティエを3回5四死球無失点で降板させていた中で攻めたが、同点、逆転とはいかなかった。
ラインアップには経験の浅い若手が多く、苦しい現状がある。相手先発が不安定だったが、2回は1死一、二塁から得点を奪えず、0―1の3回は1死満塁で増田陸、荒巻が凡退。「(好機を)自ら潰しちゃったよね。
岡本らの故障者や不振で再調整中の選手もおり、リーグ優勝した昨年のレギュラーでこの日のスタメンは丸と吉川のみ。対照的に阪神は2年前の優勝時のレギュラーメンバーが多く並ぶ。もちろん泉口、増田陸ら将来を担う若手が奮闘を続けているのは明るい材料だが、経験の差があるのもまた事実。試合後は若手野手陣と打撃コーチでミーティングも開いており、日々積んでいる経験値を後半戦に生かしていくしかない。
今季ワーストの借金3で、2年ぶりの前半戦借金ターンが確定。首位・阪神とは今季最大の11差に開いた。球宴前の試合は21日を残すのみ。「とにかく絶対勝ってオールスターブレイクに入ってほしいなと思うので、精いっぱい頑張ります」と阿部監督。後半戦へ向けても、何とか一矢報い前半戦を終える。(田中 哲)