◆第107回全国高校野球選手権大阪大会▽4回戦 大阪桐蔭16―2天王寺=5回コールド=(20日・くら寿司スタジアム堺) 

 大阪桐蔭の最速152キロ右腕、吉岡貫介(2年)が公式戦初先発し、2回を1安打無失点、3Kの力投。集結した8球団スカウトの度肝を抜いた。

 背番号14が、初めて真っさらなマウンドを踏んだ。大阪桐蔭の吉岡は、初回を3者凡退に抑え、2回は2死から中前打を浴びたが、最後は冷静に右飛に仕留めた。公式戦初先発を2回1安打無失点、3奪三振。堂々の29球にも「2イニング目はバランスが悪くなり、自分の思うような投球ができなかった」と、反省しきりだった。

 15日、星翔との3回戦で13―0の5回に登板。オール直球で11球を投げ、自己最速の152キロをマークする衝撃の夏デビューを飾った。この日の最速は147キロにとどまったが、解禁したスライダーで初回の相手3番を空振り三振。新たな一面を見せた右腕を、巨人の武田チーフスカウトは「投げっぷりがいい。来年が楽しみ」と称賛。阪神の岡本スカウトは「真っすぐが強い。今後も見ていこうと思っている」と来秋ドラフト候補として高く評価した。

 入学直後に右肩を故障。

昨秋に初めてベンチ入りして2イニングを投げたが、今春は右肘の故障でベンチ外だった。ただ、その間も下半身のトレーニングを徹底。入学時は145キロだった最速は早くも大台を突破し、回転数はプロの平均を上回る2600回転と驚異の数字を叩き出した。「変化球もだいぶ良くなってきて、先発も後ろもできるようになってきたので、大きな戦力だと思っている」と西谷浩一監督(55)。今秋ドラフト候補の最速153キロ右腕・森陽樹や、中野大虎(ともに3年)ら強力投手陣にさらなる追い風だ。

 大阪桐蔭への進学は、聖地への憧れと、同校のある大阪・大東市出身で「近かったから」も理由の一つだという右腕。思い描くのは、高卒でのプロ入りだ。「まずは甲子園を決めて、甲子園の舞台に立って自分のピッチングがしたい」。7年ぶりの夏の全国制覇へ、新たな星が輝きを放つ。(瀬川 楓花)

 ◆吉岡 貫介(よしおか・かんすけ)2008年10月20日、大阪・大東市生まれ。16歳。南郷小3年の時にジュニアサンダース(軟式)で捕手として野球を始める。

6年生から投手も兼任。南郷中では大東畷ボーイズに所属。大阪桐蔭では1年秋に背番号18でベンチ入りし、今夏は背番号14。最速152キロ。50メートル走6秒3。174センチ、75キロ。右投右打

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