◆JERA セ・リーグ 巨人6x―5阪神(21日・東京ドーム)

 雪辱の思いがシャウトに乗り移った。巨人のR・マルティネス投手(28)が気迫の3者連続Kで野手陣を鼓舞した。

同点の9回を14球で完全制圧。「どんな形でもアウトを取るという思いで入った。ああいう劇的な流れになるのは、予想できない展開だった」と直後のサヨナラ勝ちを呼び込み、3月28日の開幕・ヤクルト戦(東京D)以来となる2勝目が舞い込んだ。

 先頭中野を156キロで空振り三振。森下は143キロの高速スライダーで空を切らせ、4番佐藤輝は外角155キロで3球三振。リーグ2冠を走る主砲をも寄せ付けなかった。7回のリチャードの同点3ランを「本当スゴかった。やっぱりすごくいいバッター」と興奮気味にブルペンで見ていた守護神。6回以降、2番手のケラーから4人の救援陣が無失点でバトンをつないできた。「チームが追いついてくれた。よりフォーカスして気持ちも入った」と奮い立っていた。

 あの日失った星を、虎から奪い返した。

3日の甲子園。同点の9回に無死満塁からサヨナラ犠飛を許した。これが開幕から32登板目での初失点で、移籍後初黒星。連続無失点のセ新記録達成目前で土をつけられ、そこから自身2連敗と悪夢を見た。休養日だった18日は志願してG球場の先発練習に参加した。リベンジを誓って3連戦に備え、19日も1回1安打無失点。2戦連続の0封で締めくくった。

 移籍1年目の前半戦は37登板とフル回転。「体の状態は常にベストだと思いながら毎日、練習に取り組んでいる」。リーグ1位タイの28セーブ、35回1/3で38奪三振と力強くフィニッシュした。(堀内 啓太)

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