日本ハムの新庄剛志監督(53)が26日の後半戦開幕戦(対ロッテ、エスコン)でドラフト1位・柴田獅子(れお)投手(19)=福岡大大濠=を先発デビューさせると21日、明言した。右投げ左打ちで二刀流、球団のレジェンドであるドジャース・大谷をほうふつとさせる逸材が、まずは投手としてベールを脱ぐ。
新庄監督は真剣な表情でサプライズを告げた。「オールスター明けの一発目に柴田くんを先発で。両方行かせたいんですけど、まずは投手だけ2、3回」。二刀流ドラ1・柴田を後半戦の開幕投手に指名し、40球前後を目安に、投手デビューさせると明言した。
前日に「あした話したいことがある」と前振りをするほどの重大発表だった。大谷の背中を追って二刀流に挑戦中の柴田は今季、2軍で8登板、防御率2・31、11回2/3で16奪三振をマーク。打者としても42試合で、打率1割5分6厘、2本塁打を記録している。「彼でなかったらこうはさせていない。ファイターズの未来を考えると一発目。こういう舞台を味わわせたい」と、首位で迎える後半戦初戦にあえて大抜てきする意図を説明した。
7月20日のフレッシュ球宴(香川・丸亀)では、全イースタンの先発を務め1回1安打無失点。自己最速を更新する154キロをマークした。その映像を見た指揮官は、「あの真っすぐは打ちづらい。圧倒的なピッチングをしてくれるイメージが持てる。1軍のマウンドに上がったら、166キロくらい出るんじゃない?」と予言するほど、その才能にほれ込んでいる。
柴田自身も20日の登板後、「早く1軍で投げたい。完封、完投できる安定したピッチャーになりたい」と話しており、待望の舞台となる。試合前には、憧れの大谷のホームラン動画にかじりつくロマンあふれるネクスト二刀流が、まずは投手としてプロの一歩を踏み出す。(川上 晴輝)
◆日本ハム・大谷の投打デビュー戦 1年目の13年3月29日の開幕戦(対西武・西武D)で「8番・右翼」で野手デビュー。プロ初安打となる右翼線二塁打を放つなどマルチ安打と打点をマークした。投手では、同年5月23日のヤクルト戦(札幌D)で先発し、5回86球を投げ、6安打2失点。勝ち負けはつかなかったが、最速157キロをマークした。
◆柴田 獅子(しばた・れお)2006年4月18日、福岡・飯塚市生まれ。19歳。庄内小2年から庄内ジャガーズで野球を始め、庄内中では飯塚レパーズに所属。福岡大大濠では1年夏からベンチ入りし2年秋からエース。甲子園出場なし。24年ドラフト1位で日本ハム入団。高校通算19本塁打。最速は154キロ。ニックネームは「レオ」。187センチ、87キロ。右投左打。年俸880万円。