◆第107回全国高校野球選手権静岡大会 ▽4回戦 御殿場西6―0掛川西(22日、ちゅ~る)

 昨夏、甲子園に出場した掛川西が、8強進出をかけた御殿場西戦で0―6の完封負けを喫して、今大会から姿を消した。先発の加藤瑞己投手(3年)は初回先頭打者に死球を与えると、その後の併殺崩れの間に先制点を許した。

4回に左犠飛で2点差。5回からは杉崎蒼汰投手(3年)が登板した。6回に1点、9回には3点を失ったが、仲間のために腕を振り続けた。

 打線は1番・佐藤駿斗捕手(3年)の2安打を含め3安打に抑えられた。9回に2死二、三塁のチャンスを作るなど執念は見せたが、そこまで。鈴木脩平主将(3年)は試合後、涙を流しながら仲間と肩を寄せ合った。「昨年の夏、経験した甲子園に戻りたかった」と声を震わせた。

 同じく甲子園を経験し右の長距離砲として期待されていた石川大峨内野手(3年)が、初戦直前に左手有鉤(ゆうこう)骨を骨折。この日は7回に代打として出場したが、万全の状態ではなかった。それでも鈴木は前を向く。「石川を甲子園の舞台に連れて行こうと、みんなで話していた。この夏は、最高の仲間と野球ができました」。

2年連続の甲子園を目指して駆け抜けた夏が、静かに幕を閉じた。(伊藤 明日香)

編集部おすすめ