背番号11のサウスポーは最後の打者を遊ゴロに仕留めると、やり切った表情で大粒の汗をぬぐった。7回を3安打零封。

今夏初先発の大阪桐蔭・佐井川湧牙(ゆうが)投手(3年)が11奪三振の快投だ。チームメートの森陽樹、中野大虎(ともに3年)、吉岡貫介(2年)の3人の右腕は速球自慢。佐井川も最速145キロながら「(3人とも最速)150キロ投げるピッチャーなので、自分は変化球を磨こうとやってきました」とスライダーとチェンジアップを駆使し、高石打線を抑えた。

 登板前日の21日には「全部、三振を取る」とバッテリーを組んだ本田翔輝(とき)捕手(3年)に豪語。振らせる意識でマウンドに上がり、奪三振ショーにつなげた。

 昨夏は左肩脱臼で戦線離脱。秋に復帰し、今春に初めて背番号をもらった。西谷浩一監督(55)は「だんだん調子が上がってきているから先発に。もっとできる子」と期待する。剛腕ぞろいのチームで左腕は、自分の色で輝く。(藤田 芽生)

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