◆第107回全国高校野球選手権富山大会 ▽準決勝 未来富山6―1富山第一(24日・富山市民)

 創部8年目の未来富山は、6―1でシード校の富山第一を下し、初の決勝進出を決めた。最速145キロのエース左腕・江藤蓮(3年)が先発し、3安打、1失点(自責0)に抑えて完投勝利。

140キロ台のストレートを軸に、切れのある変化球を交えながら8三振を奪った。勝利が決まると、両手を大きく広げてガッツポーズ。「秋春の県大会で優勝した富山第一を倒せた。素直にうれしいです」と笑顔を浮かべた。

 大事な一戦でも、抜群の度胸を見せつけた。富山第一は大応援団が駆けつけ、スタンドからは大声援が飛び交った。「すごい人数で、まともに見たら飲まれる。一塁ベースを見ながら投げていました」と、注意をそらしながら試合に集中。そして、8回には内野守備の3失策などで1点を失ったが、動揺も全くなし。江藤は「エラーした選手には『切り替えていけよ』と声を掛けた。自分が抑えるという気持ちでした」と頼もしく言い切った。

 春の県大会後からは、マウスピースを使用開始。

かみ合わせが良くなり、打撃、投球ともに調子が上がってきたという。「体幹が強くなって、柔軟性も上がった。自分のピッチングで甲子園に連れて行きたい」と江藤。チームを支えるエースが初の栄冠を引き寄せる。(中田 康博)

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