◆スポーツ報知・記者コラム「両国発」

 雨天中止となった15日の巨人戦(静岡)の練習後。ヤクルト・沼田翔平投手(25)が古巣の選手、関係者に長い時間をかけてあいさつをしていた。

旭川大高から18年育成ドラフト3位で巨人入団。2年目の20年に2ケタ背番号を手にしたものの、22年に戦力外となった。ヤクルトに育成で拾われた右腕は、9日に自身2度目となる支配下契約をつかんでいた。

 阿部監督には「敵だけど応援してるよ。気にして見てるよ」と激励され、3軍時代に指導された杉内投手チーフコーチからも「おめでとう。頑張れよ。早く投げられるといいな」と祝福され、胸が熱くなった。杉内コーチからは「ゾーンで勝負できる真っすぐと変化球を持っていたら1軍(での勝負)もイメージできるようになる」と、直球のキレと変化球の精度向上を追求する心得を伝授された。ユニホームが変わっても大切にしている金言だ。

 静岡にはいなかった球友からは9日にLINEが届いた。「1軍で投げ合えるように俺も頑張るわ」。送り主は戸郷。

同じ18年ドラフト組の同期で特に親しかった。シーズン中も連絡を取り合い、G球場で会うと「結果、出してるよね。支配下はどう?」と何かと気にかけてくれた存在。巨人のエース(今季は苦しんでますが…)の活躍は沼田にとっても刺激となり、育成脱却の原動力となった。

 「1軍で投げ合おうな」と最初に再会を約束したのは昨年1月1日。あれから1年半が過ぎた。先発と中継ぎ、立場は違えど今季中に同じマウンドに立つことを楽しみに待ちたい。(野球担当・長井毅)

 ◆長井 毅(ながい・つよし)11年入社。ヤクルト、侍ジャパン担当を兼務。中日・涌井、ロッテ・美馬と同い年。

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