名門、金沢高の監督として、春4回、夏7回の甲子園出場を誇る浅井純哉氏(68)が1日、金沢龍谷高の監督に就任した。午前中、チーム練習に初合流し、ベンチ前でミーティング。

新チームでは、1、2年生9人のスタートとなるが、「誰1人欠けることなく、同じ意識で挑もう」と呼びかけた。浅井新監督は「監督として3校目ですが、気持ちは最初の頃と変わらないし、前日はワクワクしていました。いきなり何かを変えるのではなく、子供たちがやりやすく、力を発揮できることを考えています」と笑顔を浮かべた。

 1993年秋から2011年秋まで母校、金沢の監督を務め、12年から22年夏まで鵬学園の監督としてチームを率いてきた。その後は少年野球、中学野球や女子選手の指導にも関わりながら視野を広げてきた。23年10月から今年7月31日まで金沢の非常勤講師として勤務。金沢龍谷からオファーを受け、熟考の末に監督就任を決意した。「外から見ていたが、9人だけで大変な秋を迎えるだろうなと思っていた。すぐに返事は出来なかったが、少しでもお手伝いが出来ればと言う気持ちになってきて」と振り返った。

 7月13日に68歳になったが、表情、雰囲気は甲子園で活躍していた頃と変わりなし。一線を退いた後も、日頃から筋トレで体も鍛えてきたという。そして、大きな刺激になっているのが、門前で野球指導アドバイザーとして活躍している、元星稜の山下智茂氏の存在だ。

「私の一回り上ですが全然、元気ですね。山下さんが動いているのに、止まっている自分がいるなと。山下さんが指導するチームとなれば、対戦したいですね」と、往年のライバル対決を切望した。

 秋の県大会は9月6日に開幕。選手9人のままで挑む予定だ。「9人でも勝つ野球があるからねと話している。最高のパフォーマンスが出来るように、この夏は9人の選手に合ったベストポジション、打順を決め、秋の大会はなんとかシード校にたどり着きたい」と新指揮官。文字通りナインと共に、新たな一歩を踏み出す。(中田 康博)

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