◆JERA セ・リーグ 中日7x―6巨人=延長10回=(31日・バンテリンドーム)

 マルティネスの球種は、真っすぐとスプリットの2つといっていい。9回裏、細川に対した2球目は真っすぐで、そのスピードに振り負けないスイングでファウルにしていたから、打たれた5球目が真っすぐだったことには、ちょっと疑問を感じた。

けれど、9日の試合(福島)で逆転3ランを浴びた映像を確認したら、スプリットを打たれていた。その時も捕手は甲斐。バッテリーに嫌な記憶があったからストレート勝負だったんだろうね。

 マルティネスが打たれたら仕方がないとも言えるんだけれど、頼みの綱が打たれての逆転負けは、そりゃ痛いに決まっている。残り50試合を切って、中日とCS出場争いをするかもしれない中で、抑えの切り札が、細川という苦手を作ってしまったことも今後に影響があるだろう。

 では、この敗戦をどう生かすか。一発だけは避けなければならない場面で細川に打たれた球は高めだった。狙ったのではなく、いってしまった高め。ライデルほどの一流の投手でも、そういう高めは力がない。投手陣は、もう一度低めに投げる意識を強く持って臨む。それを徹底するしかないと感じたね。(スポーツ報知評論家・宮本 和知)

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