アマ球界の注目選手を紹介する「ドラフト報知」。今回は特別版として、ドラフト候補を求めて全国を飛び回る「NPBスカウトの夏」にスポットを当てる。

酷暑のなかでの球場巡り。DeNAでは、7月から半ズボンでの視察を解禁した。

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 夏の高校野球が開催される期間、スカウト活動は過酷だ。視察に最も適したネット裏の座席を確保するため、試合開始の1時間以上も前から球場入り。地方大会の会場はスタンドに屋根がない場合が多く、強い日差しを浴び続けることも珍しくない。

 昨年から、ファンが付いた空調服を用意する球団が見られるようになったが、服装そのものを見直したのがDeNAだ。長谷川竜也編成部部長は、球団の公式Xに「最近の暑さをかんがみ、視察環境を少しでも整えたい」と、半ズボン解禁の理由を記している。MLBでは、すでに半ズボン姿でのスカウティングが行われているという。

 7月4日に神宮で行われたヤクルト2軍と大学日本代表の試合を取材した際、半ズボン姿の八馬アマスカウトグループディレクターと稲嶺スカウトに会うことができた。「めちゃくちゃ楽です。半袖を着るのと同じで、やはり涼しい。暑いのを我慢して視察するより、快適な方がいいですからね」と八馬さん。

2人ともスポーティーな雰囲気で、よく似合っていた。他球団のスカウトからも「いいね!」と言われているという。

 長谷川編成部部長は公式Xのなかで「何を着ようとも、関係者の皆さまへの感謝や尊敬の念は、振る舞いや行動など、人間的な中身で示していきます」と変わらぬ信念も伝えている。八馬さんは、効果とともに着こなしの重要性を強調した。「だらしなかったり、ダサくなる感じになっては意味がないので、そのあたりは気をつけています。球団からも『格好良く着てください』と言われています」と説明した。

 酷暑対策として、NPBの全球団がハーフパンツでの試合前練習を認めるようになった。スカウトの半ズボンでの視察も、これから広がりを見せるかもしれない。(浜木 俊介)

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