◆第107回全国高校野球選手権大阪大会▽準決勝 東大阪大柏原5―4東海大大阪仰星=延長10回=(26日・GOSANDO南港)
14年ぶりの決勝を決めた瞬間、元巨人の東大阪大柏原・土井健大監督(36)はベンチを飛び出し、ド派手にガッツポーズをした。就任7年目の指揮官は「僕は何もやっていない」と謙遜しながらも、采配が的中した。
3―3の8回1死二塁、カウント2―2で金光亮哉投手(3年)を投入して危機をしのいだ。延長10回に2点を勝ち越すと、その裏は1点差となった2死三塁で、この試合2安打の4番・小日向悠太右翼手(3年)に申告故意四球。サヨナラの走者を出してでも勝負を避け、狙い通りに次打者を三振で終わらせた。
練習や試合での態度を見かね、「俺はやめる。お前らとは野球をせえへん」と突き放したこともあった。「練習試合で負けても笑っていた」というチームを立て直し、高校時代(履正社)を含めて夏の決勝は初だ。今春からユニホームを白からクリーム色に変更。「やんちゃ感を出したかった」と笑った土井監督。高校2、3年時に敗れた大阪桐蔭に借りを返すときが来た。(伊井 亮一)