◆第107回全国高校野球選手権兵庫大会▽準決勝 東洋大姫路13―3小野(26日・ほっともっとフィールド神戸)

 168センチの体がよじれるほどのフルスイングを見せた。3回1死満塁。

東洋大姫路・高畑知季遊撃手(3年)は3―1から高めの直球を豪快に振り抜いた。「真っすぐを狙っていた。ひと冬越えてパワーがついた実感があります」。左翼席へのグランドスラム。初回の先制犠飛に続く5打点目に、スタンドからは「(米ドジャースの)ベッツやん!」と声が上がった。

 同じ遊撃のベッツより身長は7センチ低いが、明石商との5回戦の決勝ソロに続く高校通算6号。小学生時代からU―12日本代表に名を連ねる逸材だったが、高校入学後に10キロ以上も体重が増え、飛距離も出てきた。「昔から野球を見るといえば、東洋だったんです」。父・竜也さん、兄・享旺(きょお)さんも同校のOB。グラブ職人の兄が贈ってくれた相棒を手に、ショートを守っている。

 チームは14安打13得点で6回コールド勝ち。岡田龍生監督(64)は「サインミスするわ、最後の走塁でもボーンヘッド。

ああいうのが命取りになる」と苦言を呈したが、エースの木下鷹大(3年)を温存できたのは何よりだ。「自分は緊張することはない。堂々と大きく構えて、どこに来ても打てる準備をしている」と胸を張った“姫路のベッツ”。40年ぶりとなる報徳学園との頂上決戦で、2011年以来の夏切符をつかむ。(表 洋介)

 ◆高畑 知季(たかはた・かずき)2007年6月8日、兵庫・宍粟市生まれ。18歳。小学生時代は兵庫波賀リトルリーグでプレーし、19年にU―12日本代表としてW杯準優勝。龍野ボーイズから東洋大姫路に進み、1年秋からベンチ入り。2年春から背番号6。今春はU―18日本代表候補合宿に参加。憧れは阪神・山田脩也。168センチ、67キロ。

右投右打。

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