◆第107回全国高校野球選手権高知大会▽決勝 高知中央3―2明徳義塾(26日・高知県立春野)

 最後の打者を148キロ直球で見逃し三振に仕留め、高知中央・堅田徠可(かただ・くうが)投手(2年)は雄たけびをあげた。6安打2失点7奪三振で完投。

8回には最速を8キロ更新する151キロをマーク。「明徳義塾を倒して甲子園に行きたくて、高知中央に入学した」という右腕が目標通り、2年ぶり2度目の甲子園へ、けん引した。

 先発を告げられたのは試合直前。エースの松浦伸広投手(2年)が投球練習中に右肘を痛め、急きょ出番が回ってきた。今大会は2回戦で1イニング投げたのみ。大一番の登板に「やっと投げられる!」と緊張よりも喜びが勝った。強気にテンポ良く投げ切った。

 今春には前監督が退任し、PL学園OBの山野司監督(57)が就任。1年生の入部0人という異例の事態にも「やることは変わらない。甲子園に絶対行くという気持ちで練習してきた」と堅田。兄・紘可さん(20)は23年夏に高知中央初の甲子園出場を果たした際の一塁手。「兄を超える存在になりたい」と聖地でも腕を振る。

(藤田 芽生)

編集部おすすめ