◆JERA セ・リーグ 広島1―5巨人(26日・マツダスタジアム)

 振り返り、何度も手をたたいた。巨人・大勢投手(26)は3つ目のアウトを確認すると、安堵(あんど)し胸をなで下ろした。

3点リードの8回に5番手で登板。2死から連打で一、二塁のピンチをつくるも最後は秋山を151キロの直球で二ゴロに仕留めた。これでチーム90試合でリーグ最速、球団4人目となる30ホールド(H)に到達。「そうなんですか」と目を丸くしたが「知らなかったです。ありがとうございます」と控えめに喜んだ。

 今季から主戦場を9回から8回に移し、シーズン前に阿部監督から「ホールドのタイトル取れ」と「最優秀中継ぎ投手賞」獲得指令を出された。「『はい』って約束しちゃったので。意識したら体の動きが小さくなると思うので、今まで通り目の前のアウトを1個1個しっかり積み上げていくことを目標にしたい」。シーズン47Hペースで12年山口鉄也44Hの球団最多更新も見えてきた。

 気さくな性格もベンチで一役買っていた。5月に同学年のリチャードがトレードで加入。この日、決勝打を打った大砲だが、ベンチで打率を気にしている姿を見て「『みんなそんなこと気にしてないよ!』って言っておきました」。

新しいチームメートに、環境に溶け込めるように声をかけている。

 中継ぎの船迫、石川、中川、大勢、ケラーがそれぞれ任された1イニングを無失点でつないだからこそ、つかみ取った1勝。「残り試合も少ない。自分の場面が回ってきたらしっかりやるだけ。いい準備して(マウンドに)上がれたら」。1試合1試合。その先に、タイトルもついてくる。(臼井 恭香)

編集部おすすめ