◆第107回全国高校野球選手権静岡大会▽準決勝 静岡1―0東海大静岡翔洋(26日、草薙球場)

 全国高校野球選手権静岡大会の準決勝が行われ、静岡はエース左腕・吉田遥孔(はるく、3年)が決勝二塁打&3安打完封。東海大静岡翔洋に1―0と競り勝ち、4年ぶりに決勝へ進んだ。

聖隷クリストファーは先発の上田一心(3年)が5回無失点、2番手・高部陸(2年)が6者連続三振を含む4回完全の完封リレー。藤枝明誠を4―0で下し、2年連続の決勝進出を果たした。決勝は28日午前10時から草薙球場で行われる。

 自らのバットでたたき出した1点を守り切った。静岡の左腕・吉田が最後の打者を一ゴロに抑え、大きなガッツポーズを見せた。5回まで毎回走者を背負いながら3安打完封。「前半良くなかったけど、修正できたのはよかった」。県内では断トツとなる27度目の夏の甲子園出場を狙う名門が、4年ぶりの頂点へ王手をかけた。

 序盤は制球が定まらず、2回から3イニング連続で得点圏に走者を背負った。4回には自身の悪送球から無死一、三塁のピンチを招いたが、何とかしのいだ。6回以降は池田新之介監督(48)の助言でフォームを微調整。「突っ込んでいたので、軸足に体重をためて投げるように意識した」。

終盤4イニングで許した走者は四球の一人だけだった。

 3回1死三塁では、左中間へ決勝点となる先制二塁打を放った。「絶対打ってやろうと思った」。スライダーをうまく合わせて虎の子の1点をもぎ取った。指揮官は「吉田が9番にいることでダブルクリーンアップになるから大きい」と、打撃面でも期待を寄せた。

 中1日で迎える28日の決勝に向け、終盤に持ち直して球数を128に抑えたことは大きい。5回まで91球と1イニング平均18・2球を要したが、6回以降は37球でしのいだ。7日間で500球以内の球数制限があり、4回戦・日大三島戦(22日)、準々決勝・静岡商戦(24日)と3試合で計330球。あと170球の猶予があり、数字上は先発完投も可能だ。

 決勝は昨夏の準決勝で逆転負けを喫した聖隷クリストファーと対戦する。「組み合わせが決まった時から、決勝で対戦するイメージをしてきた」と池田監督。聖隷の2年生左腕・高部との投げ合いが予想される吉田は「年下には負けられない。

甲子園で投げることは夢なので、全力で勝ちにいきます」と宣言した。名門のエースが、聖地を懸けて春の王者に挑む。(塩沢 武士)

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