◆第107回全国高校野球選手権 茨城大会 ▽決勝 明秀学園日立4―3藤代=延長10回タイブレーク=(27日・ノーブルホームスタジアム水戸)

 明秀学園日立が延長10回タイブレークの熱戦を制して、3年ぶり2度目となる夏の甲子園出場を決めた。

 初回に2点を先制したが、その裏に1失点。

2番手の矢口樹投手(3年)が3回、連続死球で無死一、二塁のピンチを招くと、金沢成奉監督は今大会でエース級の信頼を置く背番6の中岡誠志郎遊撃手(3年)を投入。味方の失策で同点に追いつかれたが、なおも1死二、三塁は失点しなかった。

 その後、試合は中岡、藤代・斉藤駿介投手(3年)の投げ合いとなり、2―2で延長戦に突入。10回無死一、二塁で、先頭の野上士耀捕手(3年)が左前に勝ち越しの適時打。さらに1点を加えて4―2と2点のリードを奪った。

 その裏、中岡は1点を失い1点差に迫られたが、最後は斉藤からスプリットで空振り三振を奪い、試合終了。駆け寄ったナインと、マウンド付近で喜びを爆発させた。

 試合後は「ピンチでは開き直って、魂を込めて投げました。制球を気にせずに投げたら思ったところにいくと信じていました。『中岡頑張れ! お前しかいないぞ!』という声援が励みになりました。甲子園ではショートで目立ちたいです」と聖地では打者での活躍を目標に掲げた。

 学校創立100周年の節目の年を彩った金沢監督は「みんな甲子園、甲子園と言って、一瞬喜ぶのですが、甲子園ほど初戦で負けて悔しく思う場所はないので、1回戦で負けるくらいなら出ない方がマシだというくらいの気持ちで。

今日はゆっくり休んでいいけれども、あしたから本当に甲子園で戦うんだという。やはり、負けたチームのみんなの分まで力を振り絞ってやらなきゃいけないと言いたいですし、喜んでいるのはつかの間だけだと。次の甲子園に向けての戦いが、気を引き締めてあしたから始まるんだということは言いたいですね」と甲子園での勝利に向けて、早くも気持ちを切り替えた。

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