◆パ・リーグ ソフトバンク3―1オリックス(27日・みずほペイペイドーム)

 オリックス・東松快征投手(20)は4回途中を3失点で初黒星にも前を向き、本音を隠さなかった。「楽しいですね、先発。

勝ちたいっすね!」。曽谷のコンディション不良で回ってきたプロ初先発。「少しでも『きょう、ありがとな…』と言ってもらえるような投手になりたい」と新たな景色を想像した。

 大役を告げられたのが前日の練習前。宿舎に戻ると、緊張をモロに体感した。「目をつぶって寝ようとするんですけど、心臓の音か聞こえる感じで。人生で初めて」。高卒2年目で1軍登板はリリーフでの1試合だけ。「成績や実績は全然、自分が下。自分が抑えて当たり前の世界ではない」と果敢に攻める道を選択した。

 最速は150キロ。最も難しい初回を3者凡退で立ち上がり、3回2死一塁では山川からフォークで空振り三振も奪った。

「この経験や機会が、自分の得たものかな」と謙虚さも忘れなかった左腕。岸田監督も「しっかりと勝負してくれていた」と評価した。チームの5連敗は止められなかったが、29日からの西武3連戦(京セラD)では九里や憧れのエース・宮城、寺西が先発予定。20歳の新鋭が爪痕を残した。(長田 亨)

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