◆JERA セ・リーグ 広島5―6巨人(27日・マツダスタジアム)
巨人が広島に競り勝ち、3連勝で勝率5割に復帰した。5番に入った岸田行倫捕手(28)が約1か月半ぶりとなる3号ソロを含む3打点の活躍。
勝利だけを求めて前のめりに采配した。阿部監督が攻撃面で積極的に動いて執念を見せた。多種多彩な細かい作戦で相手を揺さぶり総力戦で1点差勝利。「いや、もう、何が何でも勝ちたかったので」と貴重な白星をもぎ取った。9回で4時間8分の熱戦を制して前半戦0勝6敗だった鬼門マツダで2連勝。最高の形で後半戦のスタートを切った。
5月上旬に岡本が負傷離脱後、1試合平均2・5得点と大苦戦。打線の得点力不足が前半戦借金2の最大の要因だった。後半戦の逆襲へ「スクイズでも何でもやるよ。
〈1〉1―0の3回無死一塁、3番・吉川が送りバント。この回の3得点を呼んだ。
〈2〉3回1死一、二塁・岸田の5球目に走者2人がスタート。ランエンドヒットでファウルになったが重盗を仕掛けてかき回した。
〈3〉4―0の4回1死一塁で2番・佐々木の初球バントが三塁線内野安打に。
〈4〉4回1死一、二塁で3番・吉川が初球バントでファウル。ヒッティングに切り替えて最後は三振も、相手の意表をついた。
〈5〉5―4の6回無死一塁、佐々木がスリーバントを決めた。バント2球ファウルで追い込まれてもサインを変えず、走者を得点圏に送ることに徹した。
〈6〉5―4の8回無死、代打・増田陸が左翼線二塁打、続く代打・オコエが送りバントを決めて丸がタイムリー。
〈7〉9回無死一塁、代打・門脇がバント2球ファウルの後、バスターエンドランに切り替えて三遊間を破る左前安打。続く5番・岸田に送りバント。
首位・阪神とは10ゲーム差。「何とか食らいついていくしかない」と逆転優勝を諦めず、しがみつく姿勢を選手に伝えてチーム全体で共有している。阪神も後半戦2連勝スタート。これ以上、離されず、差を詰めるためにも勝ち続けるしかない状況だ。泥臭く、どんな形でも勝つのみだ。
投手起用でも5―0の5回に先発・赤星が5連打で4失点して1点差に迫られると継投に入り、小刻みにつなぎながら計7投手で逃げ切り。9回にマルティネスを送った時点で、ブルペンに残っていたのはバルドナードとケラーのみだった。
試合後は「もう、最後、頑張ってくれて良かったです」と全員をたたえた。熱帯夜の広島で勝率5割に戻し、29日からは名古屋で中日3連戦。