監督の番号だった「30」は、76年のクライド・ライト以来13人、50年間連続で投手のものになっている。イメージを変えたのは、ご存じ江川卓だ。

 作新学院時代、公式戦でノーヒットノーラン9度、完全試合2度と怪物の名をとどろかせ、78年、空白の一日と呼ばれる日を経て入団。打者の手元でホップした速球と大きく鋭いカーブを武器に80年、16勝を挙げ最多勝。翌81年も20勝を挙げタイトルを総なめにしてMVPを獲得。日本ハムとの日本シリーズでは3試合に先発し、完投で2勝、胴上げ投手に。80年から87年まで西本聖と交代で4度、開幕投手を務めた。

 ただ、83年ごろから右肩痛を発症。87年の日本シリーズ終了後に現役引退となった。「30」を背負ったのは9年間。引退を惜しむファンは多かった。

 江川の後の「30」を引き継いだのは橋本清。87年の甲子園でPL学園の春夏連覇に貢献し、ドラフト1位で入団した。1軍実績は6年だったが、「30」を最も長い11年間背負った。

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