メジャー通算３０８９安打を誇り、アジア人選手として今年１月に初めて米野球殿堂入りを果たしたマリナーズ会長付特別補佐兼インストラクターのイチロー氏（５１）が２７日（日本時間２８日）、米ニューヨーク州クーパーズタウンで表彰式典に出席。日本時間午前６時９分から２８分までの１９分間、英語によるスピーチを披露した。

　唯一、日本語で感謝を伝えたのは日本人メジャーリーガーのパイオニア、野茂英雄氏だった。ＮＰＢからＭＬＢ挑戦という流れを作り出し、自身の支えになった先輩に「野茂さん、ありがとうございました」と頭を下げた。その他は全て英語で、最後は弓子夫人への感謝。「私をずっと支えてくれたのは妻の弓子でした」と白いドレス姿で見守ってくれた愛妻への思いを明かした。この日のイチロー氏は濃紺のスーツに青いネクタイ。会場のファンからは「イチローコール」が巻き起こった。

　時より冗談を交えながらのスピーチ。中でも会場がわいたのは、唯一イチロー氏の殿堂入りに投票をしなかった正体不明の記者へのメッセージを発した時だ。以前、「（当該記者を）自宅に招待して一緒にお酒を飲みたい」と話し、その後「何だったら、最近料理作るから。料理作ります、僕が」と“サービス”を追加した上で、「いつまでを有効期限にするのか。それをセッティングしようかなと思ってます」としていたイチロー氏は「私の家に招待するというオファーはもう期限が切れました」と晴れ舞台で明かした。

　全米野球記者協会（ＢＢＷＡＡ）に１０年以上在籍する記者投票で決まる米殿堂入り。

有資格１年目のイチロー氏は有効数３９４票のうち３９３票を集め、史上２人目の満票をあと１票で逃したが、史上３位の得票率９９・７４６％で殿堂入りを果たしていた。

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