カブスを打表する名二塁手だったくライン・サンドバーグ氏が米時間28日に癌(がん)との闘病の末、亡くなった、と同氏の家族が公表した。65歳だった。
米ワシントン州スポーケン生まれのサンドバーグ氏は1978年にフィリーズの1巡指名(全体20位)でプロ入り。1982年1月のトレードでカブスに移籍。遊撃手から三塁を経て二塁に回ったことで本来の好守に磨きがかかり83年から9年連続ゴールドグラブ賞受賞。打撃力も身につき84年には200安打を放って打率3割1分4厘、三塁打と本塁打を各19本放ち84打点。盗塁も32個を決めてチームの地区優勝に貢献しMVPに選出された。
90年には40本塁打を放って本塁打王も獲得。97年限りで引退するまで2164試合に出場し打率2割8分5厘、282本塁打、1061打点、344盗塁で前記したゴールドグラブ9回以外にシルバースラッガー賞も7回受賞。オールスター戦出場10回でシカゴのリグレーフィールドで行われた90年には本塁打ダービーで地元選手初優勝を飾った。
2005年に野球殿堂入りを果たすと背番号「23」が球団の永久欠番に。シカゴのファンにとってNBAのブルズに所属していたマイケル・ジョーダンの前の背番号23といえばサンドバーグ氏の23番が大人気だった。
13年途中、フィリーズの監督代行となり、同球団と3年契約を結ぶも2年目の15年途中で解任された。その後は癌との闘病などで関係者から心配されていた。
日米野球にも1986年に来日し、巨人・江川卓投手から本塁打を放った。
カブスのトム・リケッツ会長は「彼のゲームへの献身と尊敬、そして揺るぎない誠実さ、根性、ハッスル、そして競争心は、彼のキャリアの特徴でした」との追悼コメントを発表した。