3年ぶり21度目の夏の甲子園出場を決め、春夏連覇を目指す横浜が29日に横浜市内のグラウンドで公開練習を行った。

 優勝から一夜明けた28日は、ユニホーム採寸と学校生徒への優勝報告。

この日は大会の疲れを考慮して、ウェートトレーニングや軽いランニングで汗を流した。練習後には、最速146キロ左腕で準決勝・決勝で3ホーマーと優勝に大きく貢献した奥村頼人(3年)が取材に応じた。

 優勝から2日たった今の心境を聞かれ「うれしかったんですけど、ここで終わりじゃないという思いが強い。神奈川県を優勝することがゴールではないので、甲子園が楽しみという気持ちの方が大きいです」と聖地でのプレーを心待ちにした。

 その後話題は、神奈川大会決勝・東海大相模戦での死球に及んだ。1点リードの5回2死一塁で奥村頼が打席に立つと、相手左腕・菅野悠(3年)の初球が内角に抜け、右肩付近に直撃。思わずバットをたたきつけ、菅野をにらみつけた。「前の打席にホームランを打って、もっと点を離したかった。感情を出してしまったことは相手に対しても、高校野球としても失礼なことをしてしまった」と猛省した。

 これまで死球を受ける機会が少なく、決勝での死球は高校野球で2度目だったという。「今までは(体付近のボールを)よけてばかりだったが、あの時は出塁したいという思いが強く、受け身になりながら当たった。それくらい思いが強かった」

 村田浩明監督からは「あんなことをしていたら甲子園にふさわしい選手じゃなくなる」と厳しく注意を受けた。

「試合が終わってから、菅野君には直接謝りました」と奥村頼。菅野からは「気にせずに甲子園頑張って」と背中を押された。

 大会終盤で「感覚をつかんだ」と話す主砲。詳細は伏せつつ「それを甲子園でもやりたい」と自信を見せた。神奈川制覇の立役者は、ライバルたちの思いも背負い、甲子園に乗り込む。(高澤 孝介)

編集部おすすめ