◆米大リーグ レッズ2―5ドジャース(28日、米オハイオ州シンシナティ=グレートアメリカンボールパーク)

 ドジャース・大谷翔平投手(31)が28日(同29日)、敵地・レッズ戦に「2番・DH」でフル出場し、決勝の勝ち越し2点適時二塁打を放った。先発・山本由伸投手(26)を援護し、3打数1安打2打点1得点2四球の活躍で、球団では95年ぶりに出場105試合でシーズン100得点に到達した。

山本は7回1失点9奪三振の好投で、後半戦初白星となる9勝目(7敗)を挙げた。

 大谷が久しぶりの余韻をかみ締めた。同点の5回1死一、三塁の好機。昨年のドラフト1巡目(全体2位)の22歳右腕・バーンズの甘く入った99・4マイル(約160キロ)の直球を捉えると、速度110・7マイル(約178・2キロ)の打球は中堅右を抜けた。7月19日以来8戦ぶりの適時打となる勝ち越し2点二塁打。ベース上では上に伸ばした両腕を左右に振り、三塁ベンチ、そして右翼のブルペン陣と喜びを分かち合った。

 味方の守備の乱れから1点を失ったが、7回を投げ抜いた先発・山本に、報いたかった。「長い回を投げてくれたのが、大きかったし、最少失点でずっと投げ続けて頑張ってくれたのはすごく大きかった」。後輩右腕を援護した一打は決勝打となり、チームの連敗も2で止めた。

 またも歴史に名を刻んだ。2点を追う7回無死二塁での4打席目は、四球で出塁すると、T・ヘルナンデスの左前適時打で三塁に進み、フリーマンの右前適時打で100得点目のホームを踏んだ。出場105試合での到達は、球団では1901年以降、30年のB・ハーマン(103得点)以来2人目で95年ぶり。

試合前には、過去3度のリーグ最優秀監督賞に輝いた敵将フランコナ監督に「1世代に1人の選手。野球界にとっては本当にプラスの存在だよ」と言わしめた。

 自身の役割を全うしている。今季は1番打者で主に出場していたが、20日(同21日)の本拠地ブルワーズ戦からはベッツ1番、大谷2番が定着。得点について「1番を打っていたので、そのおかげで得点が増えている」と分析。打点についても2番起用時は6戦9打点とペースアップしており「逆に今度は打点のチャンスが増える。プラスして最後の2打席みたいに四球を取り、しっかり出塁できれば、チーム的には大きいのかな」。73に伸ばした打点はまだトップと14差だが、2年連続2冠王の可能性が生まれてくるかもしれない。

 今季最長タイの9戦連続安打で、イチロー、松井に次ぐ日本人3人目のメジャー通算1000安打の大台にもあと「9」に迫った。ロバーツ監督は「翔平の二塁打はチームに余裕をもたらす大きな一打だった」と絶賛した。残り55試合。二刀流・大谷の出来がチームの浮沈のカギを握りそうだ。

(竹内 夏紀)

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