日本高野連が来年から指名打者(DH)制を導入する見通しであることが29日、分かった。8月1日の理事会で諮られ、関係者によると、反対意見は少ないという。
高野連は今年1月、「7イニング制等高校野球の諸課題検討会議」を発足させ、7回制やビデオ判定と合わせて、DH制についても導入の可否を議論してきた。攻撃時に投手に代わって打撃専門の打者を使えるDH制は、投手の負担軽減や多彩な選手を起用できることなどが利点で、22、23年にU―18日本代表を率いた明徳義塾・馬淵史郎監督(69)はこれまでに「僕は7イニング制よりDH制の方が先だと思っている」と言及。大阪桐蔭の西谷浩一監督(55)も「選手に可能性が広がり、多様性を持って戦える。現場としてはありがたい」と歓迎していた。
スポーツ報知が今春のセンバツでベンチ入りした50選手に匿名で行ったアンケートでも支持する声は多く、「投手の死球防止」や「低反発バットになって投手は余計に打てない。打撃専門の選手がいれば、面白い野球になる」などの理由が挙がっていた。
DH制の採用は世界的にも主流となりつつあり、NPBのパ・リーグ、国際大会や国内アマチュアの大半のほか、米大リーグでも1972年から施行されているア・リーグに加え、ナ・リーグでも22年に導入された。国内の大学でも東京六大学連盟と関西学生連盟が今春、来年からの導入を決定。全日本大学連盟に加盟する全連盟に広がった。長い歴史と高い人気を誇る高校球界も、国内外の潮流に合わせることになる。