◆パ・リーグ 日本ハム2―5ソフトバンク(29日・エスコン)

 どすこい弾でゲーム差なしの首位に立った。ソフトバンクが日本ハムとの首位攻防第1ラウンドで、20年以来の9連勝(1分けを挟む)を飾った。

同点の4回1死一、二塁、山川穂高内野手(33)が左越えの決勝16号3ラン。「入ってくれて良かった。前半(戦)はちょっと悪かったので後半(戦)は巻き返したい」。バットを抱えたまま選手通路に現れた主砲が、前を見据えた。

 リーグ連覇を狙うチームも、昨季は全試合で4番を務めた本塁打&打点の2冠王も、今季はどん底を経験した。開幕から主力にけが人が続出。5月1日には最大借金7を抱えての最下位で、首位とのゲーム差は最大6まで開いた。開幕スタメンでただ一人出場し続けた山川も5月1日時点で打率1割9分2厘。強すぎる責任感も悪い方に影響した。

 打撃フォームを試行錯誤しても本来の打撃は戻らず、4番を落ち、先発から外れ、6月16日には2軍落ち。同27日に昇格した際には気合の丸刈りで周囲を驚かせた。後半戦は3試合で2発を含む11打数5安打6打点。

「一球一球を大事にすることを、残り試合全部できるように。集中することに集中する」。もう余計なことは考えず、昨季後半だけで20本塁打の自分を信じてバットを振る。

 対日本ハム5連勝で捕まえた小久保監督は全く浮かれていない。「勢いをつけたのは山川。あそこで3ランは大したもの」と5番打者を称賛したが、「今日のことは終わったことなのでまた明日」と2戦目へ気持ちを切り替えた。抜かることなく、首位を固めにかかる。(島尾 浩一郎)

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