◆JERAセ・リーグ 阪神1―0広島(29日・甲子園)

 阪神・大竹は、目の前の事象をポジティブに捉えるタイプだ。1―0の7回、失策も絡み無死満塁。

絶体絶命と捉えるか、はたまた―。「1点リードですし余裕を持って。味方のエラーを帳消しにしてあげられるチャンス」。代打・野間を注文通りの投ゴロ併殺。続く大盛を左飛に封じ、何度も雄たけびを上げた。

 7回4安打無失点で6勝目。広島戦は通算13勝1敗、今季も4戦4勝、防御率0・99と無双する。「そろそろダメでしょ、と正直思ってるけど」と笑う左腕が、チームにとっては1970年以来となるシーズン22度目完封勝利の立役者。大阪・関西万博が連日にぎわう中、くしくも前回の大阪万博が行われたシーズン以来、55年ぶりの記録を打ち立てた。

 チームは3連勝で対広島戦9連勝とし、貯金は今季最多の21。2位とのゲーム差も同最大の11に広げ、最短で30日にマジック39が点灯する。この日は「Family with Tigers」と題して開催。

藤川監督は「みんなで守り切った、いい一日になった」と手応えを口にした。「ここから、ぶっちぎって優勝に向かっていきたい」とお立ち台で絶叫した大竹。万博会場から約8キロ離れた甲子園に、ポジティブな空気が充満した。(直川 響)

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