日本高野連が来年から指名打者(DH)制を導入する見通しであることが29日、分かった。8月1日の理事会で諮られる。
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DH制導入による一番のメリットは、選手の出場機会増だ。非凡な打力を誇りながら、守備が苦手で代打に甘んじてきた選手を何人も見てきた。肩や肘の故障で送球が困難な選手も打席に立ち、チームに貢献できる。DH制は選択制であることから、高校球界でほとんど反対意見は聞かれず、歓迎ムードが漂っている。
特に酷暑での試合では、自チームが攻撃中、投手が体を休められる利点も大きい。今夏の地方大会でも出塁によって体力を奪われ、直後の投球で足がつったりと影響があった投手もいた。猛暑で、最も肉体的な負担のかかる投手のダメージが軽減されることも喜ばしい。高校野球ではエースが中軸を打つ例も多いだけに、「大谷ルール」によって投手が降板後、DHで残ることも可能だ。
デメリットは選手層の厚いチームと薄いチームで、戦力格差がさらに拡大してしまうこと。高校野球がスピーディーに採用したことで、セ・リーグの導入にも影響が出るかもしれない。