◆JERAセ・リーグ 阪神1―0広島(29日・甲子園)

 阪神・大山悠輔内野手(30)が“スミ1”勝利の立役者になった。初回2死一、二塁。

カウント3―1から好投手・床田の浮いたツーシームを捉え、左前にはじき返した。「何とか1点を取りたいなと思って打席に入りました」。自身4試合連続打点を挙げる一打で、3連勝につながる唯一の得点をたたき出した。

 無類の勝負強さだ。得点圏打率はチームトップの3割5分9厘で、7月に限れば驚異の5割7分1厘(21打数12安打)を誇る。3番・森下、4番・佐藤輝が打点王争いを繰り広げるが、頼もしい5番打者が後ろでにらみを利かせているからこそ。自身も47打点で単独3位に浮上し、お立ち台で「そこ(打点)を求められていると思う。もっと打てるようにやっていきます」と力強く宣言した。

 チームの1―0完封は今季8度目。藤川監督が「“スミ1”というやつですか。大山はやっぱり打ってくれましたね」と最敬礼すれば、決まって夏場に調子を上げる背番号3は「汗をいっぱいかいているので、それが(好調の)要因じゃないかなと思います」と笑った。2年ぶりのリーグVへ、大山の季節は始まったばかりだ。

(小松 真也)

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