◆JERA セ・リーグ 中日8―5巨人(29日・バンテリンドーム)

 初回にいい形で3点を先制。勝ちきりたい試合だったが、キャベッジの状態は明らかに上がっている。

第1打席、外寄りのツーシームを右翼へ3ラン。調子の悪いときは上体に頼ってスイングをしがちだが、今は下半身が先行して動いてから上がついてくることで、スイングに間が作れ、ねじれやしなりができる。これによってタイミングが完ぺきでなくても、バットが内から出てくるから、ボールをうまく捉えられる。

 6回の10号2ランは、インハイの厳しい球を詰まり気味ながらも、右翼スタンドまで届けた。あのコースの球を真芯で捉えてしまうとファウルになるのだが、いい軌道でバットが出せているからファウルにならない。俗に言う「いい詰まり」になっている。

 3回の打席でも5階席に届こうかという特大のファウル。ホームランは得点力を上げることはもちろんだが、流れを一気に変えることができる。残りのペナントレースの流れも、変える可能性があるのは一発の力。多少、調子の波がある打者であることは否めないが、岡本が戻るまで4番はキャベッジが適任だ。(野球評論家・清水 隆行)

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