左肘じん帯損傷で離脱中の巨人・岡本和真内野手(29)が30日、G球場で負傷後3度目となる屋外でのフリー打撃を行い、12本のサク越えを放った。バックスクリーン直撃弾のほか、右中間最深部に飛び込む持ち味の逆方向の長打も飛び出すなど、回復をアピール。

順調にいけば8月上旬となる実戦復帰へ向けて、着実にステップを踏む主砲の姿をファーム担当の小島和之記者が「見た」。

 真夏の日差しを浴びながら、岡本が力強くバットを振り抜いた。スイングを重ねるにつれて飛距離は伸び、青空へ向かって白球が勢いよく飛んでいった。G球場で行われた2軍野手の残留練習に参加。計88スイングで快音を響かせると、バックスクリーンを直撃する特大弾を含む12本のサク越えをたたき込んだ。ラストスイングでは左翼への大きな放物線を描き、一緒に打撃練習していた長野を「エグい」とうならせ、三塁守備に就いていたドラフト1位・石塚を驚かせた。

 今月25日に本格的な打撃練習を再開し、負傷後3度目となる屋外での打撃練習。12本のサク越えのうち、中盤過ぎに右中間へと放り込んだ一発が強く印象に残った。この打球は右中間最深部のフェンスを軽く越え、その奥にある土手の中腹に建てられた広告看板付近に着弾した。練習後、岡本自ら「レフトよりも右中間の方が飛んでいたでしょ」と言うほどの打球だった。

 右中間への一発は、実戦復帰へ向けて状態が上がっている証しだ。かつて主砲は中堅から右方向への長打を「調子のバロメーター」と話していた。

この日は全体の8割程度が逆方向の打球。ボールを引きつけて強くたたく意識が垣間見えた。「いろいろと細かいこと(課題)はありますけど、シンプルにいい練習ができているので良かったと思います」という言葉に、着実に前進している実感がこもっていた。

 フリー打撃の前には、左手一本でテニスラケットを握り、テニスボールを連続で打ち返すメニューもこなした。患部の細かく素早い動きの確認も進み、順調にいけば8月上旬に2軍戦で実戦復帰して打席を重ねる見通しだ。岡本本人は「ライブBP(実戦形式の打撃練習)とか、いつやるんですかね。わかんないですけど、リハビリは続くということで大変ですね」とどこまでも自然体だが、G党が待ち望んだ主砲の復帰はもう目前に迫っている。(ファーム担当キャップ・小島 和之)

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