フィリーズ傘下2Aレディングを自由契約となってヤクルト入りが決まった元阪神の青柳晃洋投手が31日、都内の球団事務所で入団会見に臨んだ。

 支配下登録の期限日に入団が決まった青柳は背番号99のユニホームに袖を通し「また野球ができる環境を与えてくれて感謝しています」と神妙な表情で語った。

入団を決断した経緯については「僕のことを必要としてくれたのが一番。一緒にチームを盛り上げていこうとも言ってもらいました」と話した。青柳の母は現役のヤクルトレディということで「幼少期の頃から母がヤクルトレディ。今も働いているので縁があるのでは」と語った。

 前半戦83試合を28勝50敗5分けの最下位で終えたヤクルトだが、その要因となったのは投手陣の不振。左腕高橋が下半身のコンディション不良、守護神・石山が左内腹斜筋肉離れで離脱するなど先発、救援ともに手薄な状況。補強策を練る中で浮上したのが青柳だった。

 青柳は阪神からポスティングシステムを利用してのメジャー移籍を目指して1月にフィリーズとマイナー契約を結ぶも、2球団合計23登板で1勝3敗、防御率7・22。23日(日本時間24日)にFAとなっていた。念願のメジャー移籍こそ果たせなかったが「まったく後悔していない。素晴らしい経験をさせてもらってタイガースには感謝しています」と古巣に感謝していた。

 阪神では通算61勝をマークし、21年、22年に連続最多勝を獲得するなど実績は抜群。

右サイドからの速球、ツーシーム、スライダーといった変化球で打たせて取る投球が持ち味の右腕を球団は十分、戦力になると判断し獲得に乗り出していた。会見に同席した小川GMは「先発として考えて獲得した」と期待をかけた。

 ヤクルトは前半戦終盤から調子を上げ、3年ぶりの8連勝を記録。29日には上半身のコンディション不良で戦列を離脱していた村上が復帰して、少しずつ戦力が戻りつつある。青柳が加入して戦力になれば、最下位脱出へさらに勢いづきそうだ。

 ◆青柳 晃洋(あおやぎ・こうよう) 1993年12月11日、神奈川県横浜市出身。31歳。川崎工科から帝京大に進み、15年のドラフト5位で阪神入団。21年、22年には2年連続で13勝をマークして最多勝と最高勝率を獲得。22年には最優秀防御率に輝いた。今年1月にポスティングシステムを利用してフィリーズとマイナー契約を結び、2球団合計23登板で1勝3敗、防御率7・22の成績を残した。阪神では154試合に登板して61勝47敗、防御率3・08。

183センチ、83キロ。右投右打。

編集部おすすめ