◆JERA セ・リーグ 中日7x―6巨人=延長10回=(31日・バンテリンドーム)

 井上温大は阿部監督から厳しい口調で声をかけられると、うなずいてマウンドを降りた。4―3の5回。

先頭・田中に中前安打を許し、続くボスラーは一ゴロ。併殺コースだったがベースカバーに入らなかった。続く細川に中前安打を許し、1死一、二塁で指揮官がマウンドへ。代わった船迫が見事な火消しを見せたが、勝利投手の権利目前で降板し4回1/3、8安打3失点。4勝目はお預けとなり「同じような失敗をしてしまい申し訳ない」と反省した。

 5月21日の阪神戦(甲子園)以来となる白星を目指して登板。初回に1点の援護をもらうも、3回に2死二塁で田中に左前へ同点適時打。3点をもらった4回には無死一塁からチェイビスに2ランを被弾した。

 「回を追うごとに低めに修正できた」。最速150キロの直球は走っていたが、以前から監督に指摘されていたベースカバー忘れも痛いミスだった。「(ベースカバーは)全部自分がやるつもりでやりたい」と左腕。もう同じミスは繰り返さない。

◇宮本和知Point 井上は阿部監督の親心が分かっていたかね。5回無死一塁、ボスラーの一ゴロで一塁へのベースカバーを怠った。アウトになる、ならないは関係ない。途中でカバーをやめてしまった。その前の5回先頭の打席で、代打が送られなかったのは、勝利投手の権利を与えてやろうということ。阪神を追って、ドラマを引き起こすには井上の頑張りが必要なんだ、という指揮官の思いを理解していれば、あんなプレーはしないはずだよ。(スポーツ報知評論家・宮本 和知)

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