◆パ・リーグ 日本ハム4―5ソフトバンク(31日・エスコン)

 日本ハムは31日、ソフトバンク戦(エスコン)に敗れ再び首位から陥落。「6番・右翼」でスタメン出場した万波中正外野手(25)は4点を追う4回、1死三塁から2点差に迫る左越え17号2ランを放った。

30日はスタメン落ちするなど、今回の首位攻防3連戦では安打が出ていなかったが、第3戦で貴重な一発。8回にも右越え打を放つなど、マルチ安打をマークした。

 ワンサイドになりかけた流れを、万波が一振りで引き戻した。高々と上がった打球は、左翼ブルペンに飛び込んだ。4点を追う4回1死三塁、ソフトバンクの先発・松本晴の初球、128キロの低め変化球を完璧にすくい上げた。球場の雰囲気を変える左越え17号2ラン。

一塁側のスタンドを勇気づける一発に「打ったのはスライダーです。3点取られた後だったので、早めに返したかった。最高の結果になってくれました」と胸を張った。

 万波にとっては、ようやく巡ってきた“舞台”だ。「入団してからそういう機会になかなか恵まれなかったのもあって、こういう試合をやりたかった」。日々、順位が入れ替わり、一投一打ごとに大歓声が沸く首位攻防戦に、気持ちは乗っていた。

「緊張感も楽しさもありながら、ファンの方のボルテージもかなり高いですし。そういう中でプレーできるのは、選手冥利(みょうり)に尽きる」。緊張感も力に変え、放った一発だった。

 3連戦初戦は5打数無安打、2戦目はスタメン落ちで迎えた3戦目。8回にも右越え打を放つなど3打数2安打2打点、1四球と結果を残した。チームは9回の反撃も1点及ばず。2位に転落したが、首位・ソフトバンクとゲーム差はない。まだまだ続く首位争いを心から楽しむ大砲が、9年ぶりのリーグ制覇へ力強く導いていく。(山口 泰史)

 〇…加藤貴は先発する8月1日のオリックス戦(京セラD)に向け、7月31日はエスコンで最終調整。「本当に変わらず、自分ができることをしっかりやっていきたいと思います」とキャッチボールやダッシュで汗を流した。6月以降は5勝1敗と安定感抜群の投球が打線とかみ合ってきている。球宴期間には家族で道内の温泉を訪れてリフレッシュし、「休みましたし、しっかりと後半に向けていい調整ができていると思います」と中11日での登板に自信を見せた。

編集部おすすめ