400勝投手・金田正一の「34」。

 64年オフに「B級10年選手」の権利を使って巨人に移籍。

巨人では5年間で47勝だが、69年の優勝が決まった翌日の10月10日の中日戦(後楽園)、3―1の5回から登板し5イニングを1失点。勝ち投手となり金字塔を達成した。最後の打者を二ゴロに打ち取ったあと、マウンドでうつむき、あふれそうになる涙をこらえていた。「川上監督が金田に協力しろとナインに言ってくれた。本当にわしは幸せ者。400勝したらバンザイをしようか、逆立ちをしてやろうかと考えていたが、うれしくて何もできなかった」(巨人90年史から)。

 同年限りで引退。「34」は永久欠番となった。国鉄時代の15年間、ロッテ監督時代(73~78、90、91年)の8年間を含めて28年間「34」。王貞治が30年間「1」を背負ったのに続いて長い。

 金田は数々の記録を保持しているが、4490奪三振は2位の米田哲也の3388を大きく引き離す断トツ。14年連続200奪三振以上は今後、破られることはないだろう。

奪三振王10回、16年連続シーズン100奪三振以上も日本記録だ。

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